低酸素性肺血管収縮時における吸入-酸化窒素の作用部位に関する研究
Project/Area Number |
05670534
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
冨田 友幸 北里大学, 医学部, 教授 (40050439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 勝 北里大学, 医学部, 助手 (00234500)
高田 信和 北里大学, 医学部, 助手 (20206759)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 肺循環 / 低酸素性肺血管収縮 / 一酸化窒素 / L-NMMA / 酸素化能 / ラット / ウサギ / ヒツジ |
Research Abstract |
1980年に報告された内皮由来血管弛緩因子Endothelium-derived relaxing factor(EDRF)の本体は、現在、一酸化窒素Nitric oxide(NO)と考えられている。循環障害がある肺にNOを吸入させると肺血管は拡張し肺血管抵抗は減弱し、酸素化能を向上させる。 1、NOは内因性に産生されており血管調節因子の一つと考えられる。しかし、その作用機序、作用部位は明らかにされていない。生体顕微鏡下で低濃度酸素で換気したラットの肺表面の微小循環動態を観察し、NO産生阻害剤(L-NMMA)を投与し直径60mum以下の血管を対象に血管径の変化を観察した。低酸素負荷により直径20mum以下の細動脈径は縮小した。直径20mum以下の細静脈径は拡大した。L-NMMA投与により低酸素負荷による細静脈径の拡大は抑制された。以上より低酸素負荷時の20mum以下の細静脈径の拡大は、NO産生の増加により、低酸素負荷により肺胞付近の内皮細胞あるいは細気管支よりNOが産生され細静脈に作用しているものと考えられた。L-NMMA投与時の細動脈の変化について現在検討中である。 2、NOを吸入させると肺動脈圧は低下し、酸素化能は向上するが、両者の関係は明らかではない。ウサギ肺動脈にカテーテルを留置し、様々な濃度(5〜80ppm)のNOを吸入させ、肺動脈圧と動脈血液ガスの変化を検討した。肺動脈圧は80ppmで最低値を示し、動脈血酵素分圧は20ppmで最高値を示した。この理由について、NOの吸入により換気の良好な部位の血管が拡張し換気の不良な部位に対して相対的に血流が増加し酸素化能を向上させるが、過量のNOの吸入により換気が不良な部位への血流も増加するためと考えている。今後、肺の部位別の循環動態も検討し、この機序を明らかにする予定である。 3、ヒツジARDSモデルにNO吸入を行ない心拍出量を変化させ、肺動脈圧-心拍出量関係を調べた。その結果NO吸入は肺胞付近の血管を開き、zone2のclosing pressureを低下させることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)