インスリン抵抗性と高血圧に関する実験的研究-血管平滑筋Caチャンネル異常の検討
Project/Area Number |
05670597
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 尉義 東京大学, 医学部(病), 講師 (80168864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 恒一 東京大学, 医学部(病), 医員
井上 聡 東京大学, 医学部(病), 助手 (40251251)
秋下 雅弘 東京大学, 医学部(病), 医員
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | インスリン / インスリン抵抗性 / 細胞内カルシウム濃度 / Zuckerラット / 電位依存性カルシウムチャンネル |
Research Abstract |
1.目的:インスリン/インスリン抵抗性の、高血圧発症、維持における役割と機序を血管壁細胞内Ca^<++>代謝の観点から検討する。2.方法:(1)ラット大動脈ラセン条片にFura-2を負荷し、平滑筋、内皮細胞内Ca^<++>濃度,([Ca^<++>]i)と張力を同時測定し、norepinephrine (NE)存在下でインスリンの効果を検討した。(2)Wistarラットに3U/kg/dayのインスリンを浸透圧ミニポンプにて4週間皮下に持続投与した後に、内皮を剥離した大動脈ラセン条片を作製し、[Ca^<++>]iと張力を同時に測定した。(3)20週齢の雄性Zucker肥満ラット(ZF群)の大動脈ラセン条片において、KCl、phenylephrine(PE)、セロトニン(5-HT)投与による平滑筋内[Ca^<++>]iと張力変化を同時測定した。対照として同週齢のZuckerleanラット(ZL群)を用いた。3.結果:(1)インスリンの累積投与はNEによる収縮を濃度依存性に弛緩し、平滑筋[Ca^<++>]iを減少させた。内皮保存標本においてインスリンは内皮の[Ca^<++>]iの上昇および静止張力の下降を惹起し、この反応はL-NMMAにより拮抗された。(2)インスリン投与群(I群)の静止時[Ca^<++>]iは有意に低く、KCl、PEによる[Ca^<++>]iの上昇、発生張力の増加も対照群に比べ抑制されていた。(3)ZF群の血圧はZL群に比べ有意に高く、ZF群の大動脈の、KCl、PE、5-HTによる発生張力、[Ca^<++>]iの上昇はZL群に比べ著しく亢進していたが、BAY K 8644を追加投与してもZL群に比ベあまり亢進しなかった。4.結論:インスリンは内皮依存性、非依存性の血管弛緩作用を有する。内皮依存性作用はNOの遊離を介し、内皮非依存性作用は平滑筋細胞内Ca^<++>濃度の減少を伴う。このインスリンの血管弛緩作用は生体で起こり得る程度のインスリン濃度でも認められる。しかし、インスリン抵抗性を有するZucker肥満ラットでは、逆に、種々の血管作動物質に対する張力、平滑筋内[Ca^<++>]iの増加反応が亢進しており、これは血管平滑筋細胞の電位依存性Caチャンネルの機能亢進に関連することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)