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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
脳微小血管の周囲にはFGP細胞という特異な細胞が存在する。この細胞はスカベンジャー受容体などマクロファージ系の抗原を持ち,組織マクロファージと考えられる。この細胞の機能を明らかにするため以下の実験を行った。 1.マウススカベンジャー受容体蛋白の大量発現・精製とモノクロナル抗体作成 マウススカベンジャー受容体のリガンド結合部位を含む約100アミノ酸を発現ベクターに組み込みDHFRS(Dihydrofolatereductase)との融合蛋白として大腸菌で大量発現,Ni-Hisカラムで精製した。これを異種マウスに免疫しハイブリドーマの作成とスクリーニングを行い,融合蛋白に対して高い力価(1/10000)を持つ6系統のモノクロナル抗体を確立し分離精製した。しかしこれらの抗体はネイテイブな蛋白は認識しなかった。ネイテイブな蛋白は多くの糖鎖を持つ三量体であるが,原核細胞である大腸菌では糖鎖が付加されず,疎水性が強くなり立体構造が大きく異なったためと考えられる。 2.2F8抗体の結合部位の検討と2F8抗体による免疫組織学的検討 マクロファージはEDTA処理に抵抗して培養シャーレに接着するが,その接着を阻止する抗体2F8の抗原がスカベンジャー受容体であることが判明,オクスフォード大のグループと協力して2F8の結合部位をミュータント受容体を作成して検討した。2F8がリガンド結合部位欠失の受容体にはほとんど結合しないことから,スカベンジャー受容体による接着現象はリガンド依存性であると考えられた。この2F8抗体を用いて脳の免疫組織学的検討を行い,FGP細胞が2F8陽性であり,FGP細胞同志が連絡していることが確認された。現在発生に伴う変化を検討中である。これと平行してFGP細胞で代謝される物質の変化も免疫組織学的に明らかにした。
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