インスリン非依存型糖尿病多発家系における糖代謝関連遺伝子の変異の検索
Project/Area Number |
05670844
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門脇 孝 東京大学, 医学部(病), 助手 (30185889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 康夫 東京大学, 医学部(病), 医員
江藤 一弘 東京大学, 医学部(病), 医員
高橋 義彦 東京大学, 医学部(病), 医員
佐倉 宏 東京大学, 医学部(病), 助手 (70240710)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | NIDDM / グルコキナーゼ遺伝子異常 / ミトコンドリア遺伝子異常 / IRS-1遺伝子異常 |
Research Abstract |
NIDDMの発症には膵β細胞からのインスリン分泌低下とインスリン抵抗性の両者が関与し、それぞれその一部は遺伝的に規定されている。本研究では糖代謝関連遺伝子のうちグルコキナーゼ、ミトコンドリアとIRS-1(Insulin receptor substrate-1)の各遺伝子異常について検討した。1.グルコキナーゼ遺伝子異常 若年発症あるいは遺伝歴の濃厚な日本人NIDDM209症例でグルコキナーゼ遺伝子全12エクソンをPCRにより増幅した後にSSCPにて変異をスクリーニングした。その結果1例のみに糖尿病の原因となるミスセンス変異(コドン261:Gly(GGG)→Arg(AGG)を同定した。2.ミトコンドリア遺伝子異常 家族歴を有するIDDMで5.5%(3/55)、家族歴を有するNIDDMで2.0%(2/100)、若年発症で家族歴濃厚なNIDDMで3.3%(6/180)にミトコンドリア遺伝子異常(tRNA-Leu(3243)A→G変異、3243変異)を認めた。またランダムに選択した日本人糖尿病の0.8%(4/500)に3243変異が認められた。その臨床的特徴は、母系遺伝に合致する遺伝形式や感音性難聴を認めることの多いことなどであった。ほぼ全例でインスリン分泌低下を認め、インスリン治療を受けているものの割合も高かった。3.IRS-1遺伝子異常 IRS-1はインスリン受容体チロシンキナーゼの主要な細胞性基質である。最近欧米で、ヒトIRS-1の513位及び972位のアミノ酸多型がNIDDMで有意に高率に認められるとの報告がなされた。耐糖能正常で糖尿病の家族歴を有さない96名の健常対照と、191名のNIDDMで検討したところ、両群とも513多型は認めず、972多型の頻度はそれぞれ5例(5.2%)、8例(4.2%)と両群で差を認めなかった。従ってIRS-1のアミノ酸置換が日本人はNIDDMの発症に寄与しているとのデータは得られなかった。 以上、ミトコンドリア遺伝子異常(3243変異)は日本人糖尿病の1%弱に認められる。一方、グルコキナーゼ異常の頻度は低く、IRS-1多型性と共に日本人NIDDM発症への寄与は少ないものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)