コレステロール逆転送系の動脈硬化防御機構に関する分子生物学的研究-脂質転送蛋白及び肝性リパーゼトランスジェニック動物を用いた解析-
Project/Area Number |
05670859
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 静也 大阪大学, 医学部, 助手 (60243242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 尚彦 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
中村 正 大阪大学, 医学部, 助手 (90252668)
野崎 秀一 大阪大学, 医学部, 助手 (30252646)
徳永 勝人 大阪大学, 医学部, 講師 (70159044)
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 教授 (70116101)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 動脈硬化 / コレステロール逆転送系 / 脂質転送蛋白 / 肝性リパーゼ / トランスジェニック動物 |
Research Abstract |
高比重リポ蛋白(HDL)は動脈硬化防御作用を有し、動脈硬化巣からコレステロールを汲み出し、肝臓へ運んで処理するコレステロール逆転送系の主役である。我々はHDLから他のリポ蛋白へとコレステロールエステルを転送する脂質転送蛋白(CETP)や肝性リパーゼ(HTGL)の欠損に起因する高HDL血症を発見し、その遺伝子異常の解析やリポ蛋白代謝異常の検討を行なってきた。本年度の研究では、CETP欠損症の遺伝子解折をさらに推し進め、新しいミスセンス変異を発見し、本変異が本邦では高頻度に存在することも確認した。さらに、CETPの生理的意義を解明するため、CETP活性を欠損するラットに精製した高濃度のCETPを静注し、そのリポ蛋白の変動を観察した。その結果、LDLはコレステロールに冨み、HDLはコレステロールに乏しくなり、HDLの粒子経も縮小し、リポ蛋白のremodellingにCETPが重要であることを示唆するデータを得た。さらに、ラットにLipofection法によるヒトCETP遺伝子の導入を試み、そのリポ蛋白代謝に及ぼす影響を検討した。本法はSendai virusの持つ細胞融合能と核蛋白HMG1の核への移行性を利用する方法で、効率良く遺伝子発現が可能な方法である。CETP遺伝子は経門脈的に導入し、血中CETP活性の上昇を確認すべく、活性測定を行なったが、軽度の上昇に留まり、また血清リポ蛋白の変動も軽微であった。この原因として発現ベクターの不適合が考えられ、現在新しいベクターを用いて詳細に検討中である。また、HTGL遺伝子のLipofectionによる導入については、HTGLを欠損するウサギに投与すべく、現在minigeneを作製中で、詳細に検討の予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)