Project/Area Number |
05670880
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
飯高 誠 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10142407)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 甲状腺癌 / 癌遺伝子 / 成長因子 / cAMP / PKC / TSH受容体 |
Research Abstract |
分化型の甲状腺癌としての特質を有すラット甲状腺癌細胞株FRTCをもちいて、その増殖機構について検討した。 癌遺伝子の発現では、c-myc,c-fos mRNAの発現が増強していた。特にin vivoでの発現が著しかった。rat c-mycのantisense oligonucleotideを作用させると、FRTCの増殖は挿制され、c-mycの発現増強が、FRTCの増殖に関連があることが示唆された。しかし、完全に増殖を停止させることはできなかった。rasやerbB等の他の癌遺伝子の発現は、あまり著明ではなかった。preliminary dataであるが、ret mRNAの発現が認められたが、正常対照としたFRTL-5のret mRNAと若干サイズが異なり、ret遺伝子の変異が存在している可能性もある。FRTCにおける各種の成長因子受容体についても検討した。TSH受容体やIGF-1受容体のmRNAが発現されており、IGF-1により増殖が促進された。TSHにても増殖は促進されたが、FRTL-5に対する効果程には著明でなかった。またFRTCが、IGF-1を産生しているかどうかについて調べたが、IGF-1 mRNAの発現は認められなかった。またEGFはIGF-1程には増殖を促進せず、EGF受容体のmRNAも検出できなかった。 正常ラット甲状腺細胞株のFRTL-5においては、細胞内cAMPの上昇にて細胞増殖が促進されるが、FRTCではcAMPの増加と細胞増殖が平行しない。そこで、protein kinase C(RKC)のFRTC増殖に及ぼす影響について調べた。phorbol esterにて処理すると、TSH受容体mRNAは一過性に増加するが、IGF-1受容体mRNAは時間と共に減少し、FRTCの増殖自体は抑制された。PKCの阻害剤であるH-7,staurosporin等にても増殖は抑制された。cAMPの阻害剤やretinoic acidでも増殖阻害が認められた。以上よりFRTCの増殖には、PKC,cAMP何れもが関与していることが推察された。
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