ヒト白血病細胞における増殖シグナル伝達分子の活性化とその制御機構に関する研究
Project/Area Number |
05670908
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨山 佳昭 大阪大学, 医学部, 助手 (80252667)
金山 良男 大阪大学, 医学部, 講師 (30158852)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | c-kit レセプターチロシンキナーゼ / 白血病 / シグナル伝達 / 活性化突然変異 / 幹細胞増殖因子 / マスト細胞 / フィブロネクチン / アポトーシス |
Research Abstract |
癌原遺伝子c-kitは、分子量約14.5万のチロシンキナーゼ型受容体をコードしており、その遺伝子産物(KIT)は、正常造血幹細胞やマスト細胞の増殖・分化に極めて重要な役割を担っている。しかし、ヒト白血病細胞の増殖・分化あるいは腫瘍化におけるc-kit受容体の役割、特に活性化突然変異については全く報告されていない。我々は、ほとんどの急性骨髄性白血病(AML)細胞、あるいは、赤芽球、巨核球あるいはマスト細胞の形質を有する白血病細胞株にKITが発現されており、KITリガンド(SCF)により白血病細胞の増殖・分化が促進されることを明らかにした。また、一部の白血病細胞株やAML細胞では、SCF刺激のない状態でもKITのチロシンリン酸化、活性化が認められ、特に、ヒトマスト細胞性白血病細胞株HMC-1では、SCF非依存性にKITのチロシンリン酸化と活性化が認められた。このKITの恒常的活性化は、c-kit遺伝子coding region内に存在する2個の活性化点突然変異(Val→Gly^<560>とAsp→Val^<816>、特にチロシンキナーゼ領域内に存在するAsp→Val^<816>)によるものであった。このことから、c-kit活性化点突然変異が造血幹細胞やマスト細胞の腫瘍化に関与している可能性が示唆された。 また、上記SCF/KITを介したシグナルにより血球の増殖・分化が促進されたのに対し、細胞外マトリックスの一種であるフィブロネクチンにより白血病細胞のアポトーシスが誘導され細胞増殖が著明に抑制されることを見いだした。このフィブロネクチンによるアポトーシス誘導は、血球表面に発現されているVLA5インテグリンを介したシグナルが重要であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)