M-CSF/PDGFキメラ受容体を用いた血液幹細胞の増殖と分化の分子機構の解明
Project/Area Number |
05670910
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松井 利充 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (10219371)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | M-CSF / PDGF / 受容体 / チロシンキナーゼ / 幹細胞 / オートクリン / TGF-β / (IL-1)インターロイキン1 |
Research Abstract |
造血反応は造血組織を構成する種々の細胞が構成的あるいは誘導的に産生する液性因子により制御されている。生理的な造血制御機構の理解にこれら液性因子およびその受容体遺伝子の発現調節機構を解明することが重要である。私達は単球・マクロファージ(Mφ)系細胞と間葉系支持細胞にそれぞれ特異的に発現しているMφコロニー刺激因子(M-CSF)と血小板由来成長因子(PDGF)受容体遺伝子の相互発現調節機構の存在に注目し、単球・Mφの増殖・分化の分子機構の1つとして、単球・Mφ系の細胞より分泌されるIL-1がPDGFオートクリンループを介しM-CSF産生・分泌調節を行っていることを報告してきた。本年度M-CSF遺伝子発現におけるTGF-βの役割とその分子機構を解析した。TGF-βは造血支持細胞を含む種々の間葉系細胞のM-CSF発現を誘導した。TGF-β誘導性M-CSFmRNA発現はIL-1やPDGF誘導性発現と同様に蛋白合成阻害剤により増強し、転写レベルにおいても誘導されることが核Run-offアッセイにて明らかとなった。またTGF-βはPDGF-Aおよび-B鎖遺伝子の発現も誘導したが、PDGF-Aおよび-B鎖それぞれの遺伝子の発現様式は異なった。さらにIL-1によるPDGF遺伝子発現様式とも異なった。すなわち、TGF-βはIL-1と同様にM-CSF遺伝子発現を転写レベルで誘導するが、それぞれの因子に特異的なM-CSFの産生・分泌調節にはPDGFオートクリンループが関与している。また、1つの受容体型チロシンキナーゼファミリーに属するPDGFおよびM-CSF受容体のキメラ受容体cDNAをマウス造血幹細胞に発現させ単球・Mφ系細胞の分化に必要なM-CSF受容体の機能領域を明らかにした。またこれらチロシンキナーゼ系受容体の細胞内情報伝達機構とクロストークしうるG蛋白共役型ペプチドホルモン受容体(コレシストキニン受容体)がヒトT細胞白血病細胞株に発現していることを明らかにし、その細胞増殖促進作用を証明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)