Project/Area Number |
05670918
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河北 誠 熊本大学, 医学部, 助教授 (20040280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 守 熊本大学, 医学部, 助手 (40244115)
藤本 幸示 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (20190069)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 巨核球系細胞株 / 同調培養 / PMA / 巨核球分化 / 細胞周期調節因子 / GPIIb / IIIa / GATA-1 |
Research Abstract |
L8057の同調培養系の確立を試み、ハイドロキシウレア(HU)、ノコダゾール、トリコスタチンAを用いたが、これら試薬への細胞の抵抗性が弱く、処理により十分な数の同調生細胞を得られず、現在新たな方法を模索中である。そこで今年度は既に当教室で同調培養法を確立した巨核芽球性白血病細胞株CMKを用い、PMA刺激時の巨核球系の分化マーカーGPIIb/IIIaの発現を指標として、巨核球分化誘導時の細胞周期調節因子の動態を解析した。その結果、HUにより細胞周期を同調したCMKをG1/S期(同調培養開始:0時間)にPMA刺激するとG2期に、G1早期(同調開始後13時間)に刺激するとG1期後半に細胞周期は一時的に停止した。Northern blottingを行うと、細胞周期の停止に一致して、細胞周期調節遺伝子であるcyclin A,B,D1のmRNAのdown regulationが見られた。最も興味深い所見は、G2期およびG1期後半いずれの時期の周期停止においても、同時に細胞表面上のGPIIb/IIIaの劇的な発現誘導が認められたことである。さらにGPIIB/IIIa発現は、Zn finger型転写因子であるGATA-1のmRNA発現と同調することも明らかになった。GATA-1は赤血球系に特異的な遺伝子のpromoterあるいはenhancerに結合することが知られているが、同時に巨核球系にも発現し、GPIIb遺伝子のpromoter領域に結合することが報告されている。 アクチビン処理によるK562の分化誘導には、G1期における再病周期の一時的停止が伴うと報告されている。このことから増殖の遅延もしくは停止は細胞の分化と密接に関連していることが伺われる。今回、CMKにおいてはG1期停止のみならずG2期においても細胞周期が停止し、同時に細胞分化が進展することが明らかになった。従つて巨核球系においても、増殖の停止が分化と密接に関連していることが推定される。特にG1,G2両期における分化誘導は、巨核球の多核化の現象を解明するうえで重要な所見と考えられ、現在IL-3などの生理的因子によるCMK刺激での解析、他の巨核球系細胞株での検討を行っている。今年度得た上記の知見については、現在投稿中である。
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