遺伝生化学から見た赤血球膜異常症の病因としての細胞骨格の研究
Project/Area Number |
05670936
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
八幡 義人 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70069011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 美加 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10258212)
阿多 雄之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50184180)
神崎 暁郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40148698)
杉原 尚 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60140505)
山田 治 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (50104790)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 細胞骨格 / 赤血球膜 / 溶血性貧血 / spectrin / band 4.2 / band 3 / 膜間粒子 / 膜物性 |
Research Abstract |
本年は次の2つの主要projectについて研究を行った。 1.細胞骨格蛋白異常としてのbeta-spectrin mutationの研究: 山形県出身の症例について膜生化学的にbeta-spectrinの分子異常(beta^<220/214>)を発見した。そこで病因解析を行った結果、beta-spectrin geneのexon XでCCACG/gtg〓gc→CCACG/gtg〓gcの点変異を見いだし、この点変異によってexon Xを欠失することから、beta-spectrinのtruncationを生ずることが判明した。また、本症例についてそのin situにおける細胞骨格蛋白網を電顕(quick-freeze deep-etching法およびsurface replica法)的に検索したところ、著しい細胞骨格蛋白網の断裂および配列障害を実証し得た(Eur.J.Haematol.、in press)。 2.Band4.2異常症の研究: Band4.2異常症のうち、特にいわゆるNippon Type(142Ala→Thr点変異)に焦点を絞って、そのin situにおける膜病態を、電顕的、膜物性的に検討した。すなわち、本欠損症では、freeze fracture法による電顕的観察では、主としてband 3からなるintramembrane particle(IMP)数の減少(約30%)と、著明な粒子サイズの増大(15〜64nm大)を認め、band 3蛋白のoligomerizationの明らかな亢進が実証された。また、この所見に伴って、細胞骨格蛋白網の異常も確認された。さらに膜物性の点ではFRAP(fluorescence recovery after photo-bleaching)法によると、正常に存在するimmobile分画(通常は約30%)が消失し、ほとんどすべてのband 3はmobile化していることを証明し得た(Biochim.Biophys.Acta;Am.J.Med.Sci.;Int.J.Hematol.、in press)。 以上の所見から、band 4.2蛋白は、band 3のcytoplasmic domainを介して細胞骨格蛋白網に対しても重要な役割を担っているものと推定される。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)