Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Research Abstract |
私達は妊娠ラット100匹を用い,妊娠9日,10日にbis-diamine 200mgを胃内注入して21日(満期)に全身急速凍結法で胎仔を固定し,心臓と大血管の生体内形態を研究した。 胎仔900匹の研究により総動脈幹残遺症100匹の心臓・大血管の研究が出来た。その成果は次の如くであり,一部は論文として発表出来た。 1.ビスダイアミン投与によりラット胎仔に総動脈幹残遺症の1,2,3型(Collett-Edwards分類)に相当する病変が生じた。これらのラットの胎仔の心臓と大血管の断面写真により,心臓と大血管の形態が明瞭に観察された。 2.これらラット胎仔には総動脈幹残遺症の重症化の1要因である総動脈幹弁の逆流が胎生期にも生じた。胎生期に総動脈幹弁逆流が高度の場合は,総動脈幹の拡張,心室の拡張,胎生期心不全が生じた。総動脈幹弁の逆流は,弁の肥厚と変形に関連して生じていた。 3.これら総動脈幹残遺を有するラット胎仔では右,及び左肺動脈の太さは特に他の先天性心疾患合併例と差が無く,また先天性心疾患を合併しない胎仔とも差が無かった。従って総動脈幹残遺症の胎生期の肺循環は胎生期の特徴はあるが,先天性心疾患の無い場合と差が無い,と結論された。 4.総動脈幹残遺症はDiGeorge症候群に合併して生じる事が知られている。またDiGeorge症候群は染色体22q11の欠失により生じる事が最近判明した。従ってビスダイアミン投与により生じる心臓血管奇形は22q11欠失の動物モデルになる。
|