ヒト尿中の再編成型JCウイルス調節領域の検出とその意義
Project/Area Number |
05671302
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 唯一 東京大学, 医学部(分), 講師 (70010551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 惇 東京大学, 医学部(分), 助教授 (10111808)
植木 哲雄 東京大学, 医学部(分), 助手 (60184917)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 尿中JCウイルス / 調節領域 / 再編成 / 免疫抑制 / 腎移植 |
Research Abstract |
ヒト・ポリオーマウイルスの一種であるJC virus(JCV)は致死性の脱髄性疾患である進行性多巣性白質脳症(PML)の原因ウイルスとして知られている。これまで,PMLは免疫不全患者などに日和見感染症として発症するのみで,一般健常人には発症せず,しかも健常人尿中にほとんど排泄されていないとされていた。最近,我々は,一般泌尿器科患者の尿中に高率(30%)にJCVが排泄されており,その潜伏部位は主に腎髄質であることを証明した。我々はこの腎髄質中に潜伏するJCVの調節領域の塩基配列に再編成(欠失または重複)が生じた結果,PML型JCVができるという仮説を提唱し,一般患者の尿中に排泄されているJCVをarchetype型JCV(一般人に蔓延している野生株)と命名し,PML患者脳のJCVをPML型JCVと呼んで区別した。我々はarchetype型JCVが免疫不全などの誘因により調節領域の塩基配列に再編成を生じ,その結果PML型に変化するものと考えている。 本研究では,免疫抑制中の腎移植患者60名と一般泌尿器科患者60名の尿中JCVを抽出し,PCR法にてJCVを検出した。尿中JCV濃度の高い症例を各群12例と18例選び,その調節領域をクローニングおよびシークエンシングすることにより,再編成型JCVの出現頻度とその再編成様式について検討した。 その結果,腎移植患者群では一般泌尿器科患者群に較べて,調節領域の再編成率(1.3%)が有意に高かった。しかし,その再編成はPML型JCVのそれに比べて,小規模で単純なものであり,PML型JCVの調節領域の再編成とは明らかに異なるものであった。故に,PML型再編成の出現は非常に稀なものであり,免疫抑制によってもPML型再編成はほとんど起こらないと考えられた。この成果はVirology誌上で報告された。
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Report
(1 results)
Research Products
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