腫瘍内浸潤リンパ球の至適投与時期および宿主免疫能に対する影響
Project/Area Number |
05671356
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 憲一 新潟大学, 医学部, 教授 (10126427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 省二 新潟大学, 医学部, 講師 (50205415)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 腫瘍内浸潤リンパ球 / 養子免疫療法 / 上皮性卵巣がん / 無病生存率 / 凍結保存 / 生存率 |
Research Abstract |
本研究の目的は化学療法終了後に投与する凍結保存TILを用いた養子免疫療法の臨床的な有効性について的確な評価を行なう事である。新潟大学医学部附属病院に入院した臨床進行期II期以上の上皮性卵巣がん症例の手術時剔出組織より腫瘍内浸潤リンパ球(Tumor Infiltrating Lymphocyte:以下TIL)の培養を行ない、細胞数が〜10^8前後に達した時点で凍結保存した。手術後、通常の化学療法を3〜5コース行ない、その奏効率がPartial Response以上でかつPerformance Statusが0あるいは1のものを対象としてTILの投与を行なった。TIL投与群、非投与群両者は、1か月に1回当科外来を受診し、内診あるいは画像診断にて再発の有無を検索した。21名の上皮性卵巣がん患者にTIL投与を行ない、カプラン・メイヤー法でTIL投与、27名の非投与両群の生存率について解析を行なった。平成5年10月1日現在、観察期間1100日における投与群の生存率は85.7%、一方非投与群の生存率は観察期間1600日で32.0%を示し、ウイルソン・コクス検定でp<0.05の危険率でTIL投与群に有意の生存率の延長が認められた。化学療法終了時、寛解症例を対象としてTIL投与を行ない、投与群14例、非投与群11例について、無病生存率について検討を加えた。TIL投与群では1100日の観察期間で90%の無病生存率、非投与群では1600日の観察期間で45%の無病生存率を示し、ウイルソン・コクス検定でp<0.05の危険率でTIL投与による無病生存率の延長を観察した。21名の患者に凍結保存したTILの投与を行ない、化学療法単独群に比し、有意の生存率の延長を示し、さらに無病生存率の観察でTIL投与による再発遅延の効果が認められたことはTIL療法に希望を与えると同時に、将来の養子免疫療法実施時の至適条件を選択する点で注目に値すると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)