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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
成人性歯周炎の発症や進行にかかわるとされているPorphyromonas gingivalisの歯周局所における宿主細胞との会合,すなわち,感染の第一段階における菌体と宿主の分子生物学的な作用機構については,いまだ不明である.この点を明らかにするため,本研究は,同菌体表層に存在する繊維状構造体である線毛に着目し,本線毛がいかにして宿主細胞に付着し,また,どのようにして宿主細胞を免疫生物学的に活性化するのかを線毛の分子構造の面から検討した. その結果,まず,1.P.gingivalis菌体より本実験に供試するために充分量の精製線毛を調製した.また,P.gingivalis線毛のサブユニット蛋白の塩基配列をもとに,その構造をカバーする10〜20アミノ酸残基からなる部分ペプチドを合成・精製した.2.P.gingivalis線毛と宿主細胞の付着機構を明らかにする実験モデルとして,同線毛のウサギ赤血球に対する凝集作用を検討した結果,本線毛は明確な赤血球凝集活性を示した.また,P.gingivalis線毛のサブユニット蛋白分子中のアミノ酸配列X-Leu-Thr-X-X-Leu-Thr-X-XAsn-X-X(Xは非共通のアミノ酸残基)が,同活性発現のための共通構造として重要であることを明らかにした.つぎに,3.本線毛の宿主細胞に対する免疫生物学的作用として,ヒト末梢血単球/マクロファージからのサイトカイン(インターロイキン-6)産生誘導能を調べた結果,同線毛に強力なサイトカインの産生誘導活性を認め,また,その機能領域は,上述した赤血球凝集活性を示すアミノ酸配列と一致した.現在,サイトカイン産生誘導のための最小有効構造を詳細に検討している.さらに,4.同活性ペプチドは,^<125>I標識した線毛のヒト線維芽細胞への付着阻害を示すことが認められ,P.gingivalisの宿主細胞への付着やその活性に対するアンタゴニストとして期待される.
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