Project/Area Number |
05671707
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸本 悦央 岡山大学, 歯学部・予防歯科学講座, 助教授 (20091316)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 唾液 / タンパク質 / アミノ酸組成 / 糖組成 / 高分子 / Streptococcus mutans / 付着 / 齲蝕 |
Research Abstract |
口腔組織への細菌付着は疾患の発生に重要な役割を持っている。ヒトの齲蝕の原因菌Streptococcus mutansの歯面への付着に関与する高分子量タンパク質(付着促進タンパク質、APPと略す)を顎・舌下腺唾液中に見い出し、その付着活性に関してこれまで報告してきた。今回はこのAPPを液体クロマトグラフィーおよびSDS-PAGE法を利用した電気泳動的分離法を用いて分離・精製し、その化学的組成を調べた。APPの分子量は約300,000daltonである。精製APPおよび同時に分離したムチン(分子量>500,000dalton)についてアミノ酸組成および糖組成の分析を行った結果、APPとムチンは少し異なっていた。APPのアミノ酸組成はserine、glutamine、glycineが主で、この三つで全アミノ酸の約40%を占め、ついでasparagine、threonine、proline、alanineが多かった。ムチンではAPPと異なりthreonineも主たるアミノ酸であり、この四つで全アミノ酸の50%を超えていた。ムチンとの違いに比べるとAPPの亜群である3群間での違いは少なかった。但し、ムチンのglycine含有比率が他の研究者と異なるため、分離方法の違いによるものかそれとも分析手法の問題なのかを再検討している。APPおよびムチンの糖組成分析の結果、主たる構成糖はfucose、mannose、galactose、glucose、N-acetylgalactosamineであった。ムチンにはAPPに認められなかったN-acetylglucosamineが含まれていた。APPおよびムチンの構成糖の比率は明らかに異なり、特にAPPではmannoseの含有比率が高かった。APP内あるいはムチン内での組成は類似していた。これらの結果は、APPとムチンはペプチド鎖のアミノ酸組成に若干の違いを持つ、糖鎖構造の異なる高分子タンパク質であることを示している。APPの化学的組成の共通性は先に示した遺伝学的結果を支持するものである。
|