神経成長因子(NGF)による免疫増強作用とそのメカニズム
Project/Area Number |
05671822
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 格 岡山大学, 薬学部, 教授 (20028848)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アスコルビン酸 / 神経成長因子(NGF) / アスコルビン酸-2-グルコシド / NGF受容体 / 抗体産生増強 / 相乗効果 |
Research Abstract |
申請者はin vitroマウス脾細胞培養系において、先に申請者が開発した安定型アスコルビン酸誘導体、アスコルビン酸-2-グルコシド(AA-2G)が抗体産生応答を増強することを認めた。また、この作用はリンパ球膜面のα-グルコシダーゼによりAA-2Gから酵素的に除々に遊離したアスコルビン酸(AsA)によるものであることを明らかにした。細胞培養系でAsAの抗体産生増強作用がこれまで他の研究者により見出されなかった理由は、単純にAsAが水溶中で極めて不安定であったことによる。これに加え、申請者は、神経成長因子(NGF)がそれ自身、免疫応答を修飾する作用を有しないにも拘わらず、AA-2Gの上記作用に対し相乗的に働くことを見出した。このように、神経由来のペプチドがビタミンと共に免疫系に働くことは極めて興味深い現象である。 本研究では、AA-2GとNGFとの間で認められる抗体産生の相乗作用の特異性、並びにそのメカニズムについて解析を行った。その結果、次のことを明らかにした。 (1)AA-2Gは細胞培養の比較的初期に働き、NGFはこれとは逆に、後期に働いた。 (2)T細胞除去脾細胞を用いた場合にも、AA-2GとNGFの相乗効果は認められた。 (3)NGFにはインターロイキン2様の作用が認められた。 (4)AA-2GはNGF受容体を有する細胞数を増加させることを見出した。 (5)ホスファターゼの働きによりAsAを遊離することが知られているアスコルビン酸-2-燐酸(AA-2P)にもAA-2Gと同様の作用が認められた。一方、NGFと同様の作用を示すものは他に見出せなかった。 以上の様に、AA-2GとNGFの相乗効果のメカニズムのひとつを明らかにすることが出来た。また、液性因子レベルにおける神経・免疫の相互作用の一端を明らかにすることが出来た。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)