細胞のがん化に伴うII型ヘキソキナーゼの特異的な活性発現機構
Project/Area Number |
05671826
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
寺田 弘 徳島大学, 薬学部, 教授 (00035544)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ヘキソキナーゼ / がん細胞株 / 糖代謝 / がん化 / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
申請者は、解糖系の諸酵素のうち、がん細胞において最も活性化されているヘキソキナーゼに注目して解析を行い、がん細胞での高いヘキソキナーゼ活性は、主としてII型と呼ばれるアイソザイムの特異的な転写促進に基づくものであることを見いだした.本研究では、従来の研究を更に発展させ、以下の知見を得た. 1.ヒトがん細胞でのヘキソキナーゼの転写レベルの解析 従来、ヒトのII型ヘキソナーゼに関する知見は全く得られてなかったが、我々はこれをコードする遺伝子の一部を解析することに成功し、ヒトがん細胞株での転写レベルの解析を行った.その結果、解糖活性が比較的低いHeLa細胞やA431細胞ではI型のヘキソキナーゼが発現しているが、解糖活性が高く、悪性度も高いとされてきたHepG2細胞では、II型ヘキソキナーゼが発現していることを見いだし、ラットを用いた研究に基づいた上述の知見が、ヒトにおいても成り立つものであることを明らかにした. 2.ラットのII型ヘキソキナーゼをコードする遺伝子の構造解析 がん細胞において、II型ヘキソキナーゼの転写レベルがどのような分子機構で高まるのかを明きらかにするためには、これをコードする遺伝子の解析が必須である.申請者らは、世界に先駆けてこの遺伝子を単離、その構造解析に成功した.高等動物のヘキソキナーゼは、グルコキナーゼによく似た祖先タンパク質の遺伝子の重複融合によって形成された可能性が示唆されていたが、直接的な証明はなされていなかった.我々の解析により、ヘキソキナーゼの遺伝子は、現存するグルコキナーゼの遺伝子を直接の祖先とした重複融合によって形成されたことが明らかになった.がん細胞での転写活性化機構に関する研究は、現在継続して行っている.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)