機能性小員環化合物のデザインと効率的合成:分子内ミカエル・アルドール反応の利用
Project/Area Number |
05671864
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医薬分子機能学
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井原 正隆 東北大学, 薬学部, 助教授 (00006339)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 分子内連続反応 / 機能性小員環化合物 / シクロブタン / シクロプロパン / ミカエル・アルドール反応 / 複合反応剤 / 環縮小反応 / 生理活性天然物 |
Research Abstract |
三員環及び四員環構造を持つ小員環化合物は、分子内での大きなひずみ故に、合成の重要な中間体として機能し、また多くの生理活性物質の構造の一部となっている。しかしながら、特に炭素原子からなる四員環化合物の合成方法は少なく、光反応条件下での[2+2]型の環化付加反応が主要な手法となっている。そこで新規な四員環化合物の合成法の開発が望まれていたが、著者は同一分子内にケトカルボニル基と共役不飽和エステル基の両方を持つ化合物に対して、連続するミカエル・アルドール反応を行うことによって、従来法とは全く異なる四員環構築法の開拓に成功した。 本法の鍵はアルドール反応によって生成する不安定な四員環上の水酸基を反応系内で捕促することにあり、著者は酸及び塩基が共存する複合反応剤を適用することによって、目的の変換反応を可能にすることが出来た。その反応条件として二方法を開発したが、第一はトリエチルアミンの存在下にトリアルキルシリルトリフレートを作用させるものであり、第二はヘキサメチルジシラザン及びヨウ化トリメチルシリルと処理する反応である。前者の反応条件はケトカルボニル基に隣接する速度論支配の水素を選択的に引き抜くものであり、後者は熱力学支配水素原子と選択的に反応するものであるため、両反応条件を組合せることによって、極めて一般性の高い方法として利用することが可能となった。 さらに著者は成績体である四員環化合物から三員環化合物への新規な転位反応を見い出し、新たな三員環化合物の合成法をも開発することが出来た。また転位反応成績体を利用することによって新しい三連続反応を行って、四員環に縮環する多環化合物の製法も確立した。これらの新手法によって四員環及び三員環構造を持つ多様な化合物の製造法が開発され、このことによって様々な生理活性天然物合成への新しいルートの探索が可能となった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)