Project/Area Number |
05671878
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical sociology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高屋 潔 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (60188092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤盛 啓成 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50238622)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 甲状腺検診 / 放射線被爆 / 甲状腺腫瘍 / 甲状腺癌 / マーシャル諸島 / 核実験 |
Research Abstract |
平成5年度に、まずphase-I studyとしてマーシャル諸島のクワジェリン環礁イーバイ島で、2ケ月間にわたり住民検診を実施した。この環礁は核実験の影響が中等度と考えられてきた地域である。この環礁の住民約9,300名のうち、核実験の影響を受けたと推定される人口は約2,200名である。今回は、男535名、女817名の計1,352名の住民に対して検診を実施した。検診に際してはまず問診用チャートにより、出生地、核実験が行われた1946-1958年の期間の居住地、甲状腺に影響を与えるヨード摂取量を推定するために食習慣などを調査した。次に、身長、体重、血圧、頸部の触診等の理学所見をとった。最後に、超音波装置により甲状腺の検索を行った。更に、触診可能な結節を有する患者には、穿刺吸引細胞診を実施した。 受診者のうち核実験の影響が考えられる住民は1,132名であり、うち275名(24.3%)に結節性病変を発見した。年令別頻度を見ると、30-50代が191例と結節患者の約70%を占め、最も放射線の影響が考えられる世代に結節が多発していたことは注目に値する。更に、甲状腺の手術既往歴のある住民は全体で15名であったが、うち30-50代が12例とやはり大半を占めた。さらに、触診可能だった結節患者133名中120名に穿刺吸引細胞診を行った。以上により、甲状腺癌16名(1.4%)、良性腫瘍259名(22.9%)を診断した。 一方、核実験の影響を受けなかったと考えられる住民220名の検診も行ったが、結節患者の頻度は7名(3.2%)と低い頻度であり、全例が良性結節であった。 以上の結果より、従来は4-6%の発生頻度とされてきたクワジェリン環礁住民に、より高い頻度で甲状腺結節が発生していることが明らかとなった。この結果をふまえ、更にphase-II studyとしてマーシャル諸島全域の住民を対象とした検診を計画している。
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