Project/Area Number |
05680050
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
家政学
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Research Institution | Showa Women's Junior College |
Principal Investigator |
戸田 玉子 昭和女子大学短期大学部, 短期大学部, 助教授 (90092478)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ポリエチレンテレフタレート / 染料濃度 / 水 / 動的粘弾性 / 非晶密度 / ガラス転移温度 / 熱処理 / X線 |
Research Abstract |
1.染料濃度の異なるPETフィルムのTgおよび動的粘弾性を測定することにより、PETの分子運動に及ぼす染料濃度の影響を検討した。Tgは、染料濃度、水分率の増加とともに低下することが認められた。alpha、beta分散いずれも染料濃度が高くなると低温側にシフトし、活性化エネルギーは低下した。得られた結果から、染料は基質の分子運動に関与し、alpha分散よりもbeta分散により強く影響することが明らかになった。beta分散における緩和強度および単位面積当たりのセグメント数は染料濃度依存性を示すとともに、高濃度の染色では、染料の染着状態に変化が生じることが認められた。また、分子運動に及ぼす水分の影響をalpha分散の活性化エネルギーにより検討したところ、水分の存在により活性化エネルギーが著しく低下し、染料による可塑効果以上に主鎖の分子運動は水の影響を受けることが明かとなった。 2.種々の方法によって得られた結晶化度や長周期のようなPETの結晶状態を特徴づけるパラメーターと非晶領域の分子運動とを比較することにより、乾熱、湿熱処理によるPETの非晶構造変化を検討した。熱処理による結晶化の進行とともに非晶密度が減少し、湿式処理の場合にその減少程度が大きくなった。小角X線散乱の積分回折強度の変化も、結晶密度と非晶密度の差が結晶化の進行とともに大きくなることを示唆した。ガラス転移温度に相当する損失弾性率のalpha分散ピーク温度は熱処理温度の上昇にともなって減少した。結晶化の進行とともにTgは減少した。活性化エネルギーも同様に変化した。以上のことは、熱処理によって結晶化後期では非晶密度が減少し、非晶領域の運動が起こりやすくなることを示している。
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