Project/Area Number |
05680124
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human geography
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
高橋 春成 奈良大学, 文学部, 助教授 (70144798)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | リュウキュウイノシシ / 銃猟 / 罠猟 / イノシシ肉の商品化 / 狩猟圧 / 住民のイノシシ観 / 害獣 / 益獣 |
Research Abstract |
調査を実施した奄美大島、徳之島、沖縄本島における住民とリュウキュウイノシシ(以下、イノシシ)のかかわりについてまとめる。 1.イノシシ猟は銃猟と罠猟に大別され、近年両者とも狩猟の近代化がみられる。前者では高性能の無線機、4輪駆動の車、高能力の猟犬の導入、後者においても無線装置つきの罠の導入がすすんでいる。このような機動力に富むイノシシ猟は、近年の林道の開設にともなって山間部に広く展開されている。 2.銃猟と罠猟を行うハンターはそれぞれ専門化している。前者の目的の多くはスポーツ・ハンティング、後者の目的の多くは肉の販売にある。近年では、イノシシ肉の商品化の進展とともに罠猟が増加している。 3.イノシシ猟の機動力化やイノシシ肉の商品化の進展は、イノシシへの狩猟圧をとうしてイノシシの生息状況に影響を与えている。高い狩猟圧はイノシシの生息数の減少を生み出し、また一方で従来の生息地外へイノシンを追いだしている。 4.そのようななかで、たとえば、従来生息をみなかった離島部にイノシシが海を泳いで侵入している例が数箇所みられる。その結果、有人島ではイノシシによる農産物や林産物への被害が新たな問題となっている。 5.古くからイノシシの生息をみてきた地域の住民のイノシシ観には、害獣でもあり益獣でもあるといった見方があるが、新たにイノシシの侵入をうけ経済活動に被害が生じている地域の住民間には一方的な害獣視が強い。 リュウキュウイノシシは、他にも石垣島や西表島に生息しており、今後はこれら両島の実態を調査し、南西諸島全域における住民とリュウキュウイノシシのかかわりについて総合的に検討する必要がある。
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