1991年台風19号における瀬戸内海の海面過程と塩害の事後予測による詳細な研究
Project/Area Number |
05680354
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Natural disaster science
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥羽 良明 東北大学, 理学部, 教授 (50025277)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正昭 京都大学, 防災研究所・災害気候部門, 助教授 (60027240)
江淵 直人 東北大学, 理学部, 助手 (10203655)
川村 宏 東北大学, 理学部, 助教授 (40169769)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 台風9119号 / 塩害 / 海塩粒子 / 瀬戸内海 / 海面過程 / 海上風 / 波浪予測 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
1991年の台風19号は、中国地方瀬戸内海側および瀬戸内海の島々に非常に大きな塩害をもたらした。本研究の目的は、この台風による瀬戸内海の風の分布から、海面にかかる応力分布とその時間発展、さらに風波の発展を推算し、風と風波の状況から海塩粒子の生成状況を、申請者らの最近の研究に基づいて推算し、この海塩粒子が陸に運ばれる過程を計算し、定量的に上記の塩害の事後予測を行い、現地調査の塩害資料と対比して研究を行うことである。具体的な成果は次の通りである。 1)数値モデルによる研究.内海における風の場の推定手法を含んだ内海の波浪推算モデルを新たに開発し、それを用いて台風9119号通過時の瀬戸内海における海上風と波浪の数値シミュレーションを行った。推定された瀬戸内海の風と波の場の時間発展の様子は、実際に起きた台風通過時の被害状況の原因をよく説明した。台風の北東への進行に伴って瀬戸内海の高風速域と高波高域も東へ移動し、それと塩害の被害地域の移動がよく対応している。特に、塩害の発生とその上流風域の高波高の存在は極めてよく対応しており、災害の成因の事後推算の一部が達成された。今後、波浪と海塩粒子生成機構を組み合わせることにより、塩害の直接シミュレーションが可能になろう。 2)現地調査.松山沖の北15kmに位置し、南を伊予灘、北を安芸灘に面した愛媛県中島町本島は海抜約300mの2つの山があり、山頂までみかん園が普及している。台風9119号はみかん園に大きな塩害を与えた。現地調査の結果海岸近くの平地は全島的に被害を受けているが、100m以上の高地の被害は南西斜面に集中していた。これは海上吹走距離が長く、海塩を多量に含んだ風が吹いたところと一致している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)