Project/Area Number |
05680461
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
巽 紘一 放射線医学総合研究所, 生物研究部, 研究員 (30131022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福士 育子 放射線医学総合研究所, 生物研究部, 研究員 (70165273)
高萩 真彦 放射線医学総合研究所, 生物研究部, 研究員 (30260235)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | APRT / ジアミノプリン抵抗性 / 体細胞分裂組換え / 対立遺伝子消失 / MNNG / ジエポキシブタン / RFLP / VNTR |
Research Abstract |
ヒト体細胞を用いた環境リスク評価の妥当性を高める為には、従来の細菌を使用する変異原試験や、6チオグアニン抵抗性指標に基づく動物細胞変異検定系では検出されなかった大きな欠失や組換えといったゲノム変化を環境要因の内の何が、どの位の頻度で誘発するのかを明らかにできなければならない。この為に、APRT欠損症である2,8ジハイドロキシアデニン(DHA)尿路結石症のヘテロ保因者に由来するリンパ芽球を利用して、新たな常染色体遺伝子変異の定量的検出系の確立を目指した。 アルキル化剤MNNGは2mug/mlまで用量に依存してジアミノプリン抵抗性変異を誘発するが、同時に測定したチオグアニン抵抗性変異の10-20倍の頻度(1.2mug/mlで3x10^<-4>)を示し、ジアミノプリン抵抗性変異とチオグアニン抵抗性変異との収率における差異がほとんどない紫外線照射の場合とは異なって、むしろX(gamma)線の場合に類似しており、予想に反した。APRT遺伝子は16q24に位置するが、SphIRFLPを利用した解析より変異体の32%(17/52クローン)が対立遺伝子消失を伴っていた。その内の3/8は16q13のメタロチオネイン遺伝子座位でも対立遺伝子消失が認められたが、16p12のD16S159ではVNTR多型の異型接合性は保たれており(8/8)、染色体不分離は関与していないと考えられた。従来から知られているO^6アルキルグアニンによる塩基置換(GC->ATトランジション)のほかにDNA組換えまたは大きな欠失に起因する変異の寄与が小さくないことが明らかになった。 DNAクロスリンク剤ジエポキシブタンも高率にジアミノプリン抵抗性変異を誘発するが、ほとんどが(22/25)APRT対立遺伝子喪失を伴っていた。チオグアニン抵抗性変異の誘発が認められないポリADPリボース合成阻害剤ベンザマイドも用量依存的にジアミノプリン抵抗性変異を誘発し、その75%(8/12)が対立遺伝子消失を伴っていた。 APRT遺伝子を含むゲノムDNA断片を用いて蛍光in situ ハイブリダイゼーション(FISH)によって遺伝子量を判定する方法が、サザーンブロットにおける遺伝子量解析よりも信頼性が高いこと、また16q13でも対立遺伝子消失があって、コピー数が1であるものは通常の染色体解析でも染色体欠失が確認できることが明らかになった。
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