紫外線による細胞内DNA損傷の誘発と内在性メラニンによる防御の定量化
Project/Area Number |
05680467
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
森 俊雄 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (10115280)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | メラニン / シクロブタン型ダイマー / (6-4)型ダイマー / DHA / HM3KO / 細胞死 / 紫外線 |
Research Abstract |
内在性のメラニンが果たして皮膚がんの原因と考えられる紫外線誘発DNA損傷の生成を防御できるのか、紫外線による細胞致死作用を防御できるのかについて明確にするために、実験材料として,ヒト由来のメラニン高産生メラノーマ細胞(HM3KO)を準備した。DHA6日間処理によりメラニン量を半減させることに成功し、メラニン量の多い細胞と少ない細胞では類似した性質のメラニンを持つことを確認した。メラニン量の異なる2種の細胞において、BおよびC紫外線による細胞内DNA損傷(シクロブタン型ダイマーと(6-4)型ダイマー)の定量を行なったところ、メラニン量の少ない細胞により多くの損傷が誘発されていることがわかった。更に,2種の細胞において,BおよびC紫外線による細胞致死作用を検討した結果、メラニン量の少ない細胞がより高感受性であった。これらの結果から、内在性のメラニンがBおよびC紫外線誘発DNA損傷生成および致死作用を防御できることが明かとなった。更に、既に報告したメラニン量の異なる3種のメラノーマ細胞の実験結果と合わせて考察すると、1)メラニンの紫外線防護能は高々2-2.5倍の範囲である、2)メラニンの紫外線防護能はメラニン濃度に依存して非直線的に強くなり、2mug/mm3を越えると飽和してくる、3)メラニンによる防護能は、紫外線誘発DNA損傷生成と細胞致死の場合で一致することから、BおよびC紫外線による細胞死の原因としてシクロブタン型ダイマーと(6-4)型ダイマーの生成が強く示唆される、ことが明かとなった。最近、メラニンが紫外線損傷の防御よりも増感に働くとする論文が出されているが、適切な材料と高感度の検出系の利用により、メラニンの防御能を科学的に証明できたと思う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)