Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
標記申請課題に沿って各国伝統薬物に含まれる宿主介在性抗腫瘍活性成分の探索、化学的研究を行い、エジプト、パキスタン産のギョリュウ科植物のReaumuria hirtella,Tamarix pakistanicaから10種の新加水分解性タンニンオリゴマー[hirtellin B,C,tamarixinin B,C(dimer),tamarixinin T_1,T_2,hirtellin T_1-T_3(trimer),hirtellin Q_1(tetramer)]を単離し、それらの構造解明を行った。それらのうち特にtamarixinin B,C,hirtellin T_2は12員環、36員環構造を有する新しいタイプの大環状加水分解性タンニンオリゴマーであることを明らかにした。またツバキ科のヤブツバキ(Camellia japonica)の葉、果実からも新規な加水分解性タンニン(camelliatennin A-H)を単離した。これら新タンニンについて、マウスの移植癌(Sarcoma180)に対する宿主介在性抗腫瘍作用を検定した結果、hirtellin B,T_1,Q_1,camelliatannin D,H等が顕著な抗腫瘍活性を示すことを見い出した。一方、既に同様の活性を認めている数種の関連の加水分解性タンニンオリゴマー(oenothein B,agrimoniin)について、その作用機構解明のための検討をも行った。その結果、これらのタンニンオリゴマー類の抗腫瘍活性はmacrophageの活性化によるインターロイキン-I,-Iβ産生等が関与する宿主の免疫機能増強作用に起因するものであることを実験的に証明し、新しいタイプの免疫性抗癌剤開発の基礎的資料を得た。またこれら活性タンニンオリゴマーを生産するツバキ等の植物カルスを確立すると共に、細胞培養による新規成分の生産についての知見をも得た。
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