Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
FGFは多様な生理作用を示す増殖因子であるが,脳に多く存在し,神経栄養作用,神経分化作用をしめすことから脳神経系で重要な役割を果たしていると期待されている。FGF受容体には,現在までに4種類の異なった受容体(FGFR-1〜FGFR-4)が存在していることが明らかにされている。我々は,脳内でのFGFの生理的役割を明らかにする目的で,これらのFGF受容体mRNAの脳内発現の領域及びその特異性を調べた。 ^<35>Sで標識したラットFGF受容体cRNAをプローブとして,ラット脳の3種類の切片(Sagittal,Horizontal,Coronal)を作製し,in situ hybridization法によりFGFR-1〜FGFR-4mRNAの脳内発現分布をマクロオートラジオグラフィー,ミクロオートラジオグラフィーにより調べた。FGFR-1mRNAは脳内に広く発現しているものの,特に海馬,小脳などに高発現していた。一方,FGFR-2mRNA,FGFR-3mRNAは脳内に広く,diffuseに発現していた。また,FGFR-4mRNAの発現は内側手鋼核にのみ限られていた。さらに,FGF受容体mRNAの発現は細胞レベルで調べたところ,FGFR-1mRNA,FGFR-4mRNAは主として神経細胞に,FGFR-2mRNA,FGFR-3mRNAは主としてグリア細胞に発現していた。FGF受容体は脳内に広く発現し,神経細胞,グリア細胞のいずれにもその発現が見られるが,各受容体の発現が領域レベル,細胞レベルでそれぞれ特異的であることは,FGFの脳内での生理作用の多様性を示していると考えられる。
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