アクチビン-ホリスタチン-プロテオグリカン相互作用による細胞増殖・分化調節機構
Project/Area Number |
05680525
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 隆範 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (70183887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野 弘 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (50211305)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | アクチビン / ホリスタチン / TGF-β / プロテオグリカン / ヘパラン硫酸 |
Research Abstract |
アクチビンはTGF-βスーパーファミリーに属する細胞増殖・分化因子の1つで、多彩な生理作用を有する。一方、ホリスタチンはアクチビンの結合蛋白質としてアクチビンの活性を阻害するとともに、細胞外マトリックスを構成するプロテオグリカンのヘパラン硫酸と強く結合してアクチビンを細胞表層にトラップする働きを持つ。このようにアクチビンの作用は、ホリスタチンやプロテオグリカンなどとの相互作用によって細胞表層で複雑に調節されている可能性が高い。本研究では、アクチビン-ホリスタチン-プロテオグリカンの3者の協奏作用による細胞増殖・分化制御機構の一端を明らかにするため、特に複数の分子種として分泌されてくるホリスタチンの精製やヘパラン硫酸との結合特性とその生理活性を中心に解析し以下の成果を得た。 (1)ヒト卵胞液、胎盤から新たにホリスタチンを分離して、哺乳類では共通して複数のホリスタチン分子種が合成・分泌されている可能性を指摘した。(2)ブタ卵巣から分子量32kDa-38kDaの6種のホリスタチンアイソフォームを精製し構造解析した結果、アイソフォーム間でポリペプチド鎖のC末端領域の長さや付加する糖鎖数に違いがあることを明らかにした。(3)アイソフォーム間で、細胞表層ヘパラン硫酸に対する親和性は異なり、高分子ホリスタチン(38kDa,315アミノ酸)がほとんど結合しないのに対して、C末端酸性領域を欠く低分子ホリスタチン(32kDa,288アミノ酸)は強く結合し、しかもホリスタチンの下垂体からのFSH分泌抑制活性も低分子ホリスタチンが最も高かった。従って、アクチビンの生理作用は低分子ホリスタチンとプロテオグリカンとの協同作用によって細胞表層で効率的に抑制制御される一方、高分子ホリスタチンが液相において低分子ホリスタチンとは異なる働きをしている可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)