Project/Area Number |
05680541
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 義明 東北大学, 理学部, 教授 (00098146)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | P450c21遺伝子 / P450SCC遺伝子 / CRE配列 / 転写活性化 / ステロイドホルモン合成 / 組織特異的発現 / cAMP / 副腎皮質 |
Research Abstract |
ステロイドホルモン合成の最初のステップで律速酵素であるP450scc遺伝子の転写に必須な領域について詳細な検討を行なった。 P450scc遺伝子の転写調節領域の中に存在するCRE様配列とAd4配列のみを含む領域をPCR法によって調製し、cAMPによる誘導的転写の活性化を見せないP450scc遺伝子のプロモーター領域の他、HSVのチミジンキナーゼのプロモーター領域及びSV40のプロモーター領域の上流に結合した融合遺伝子を作製した。これらの融合遺伝子をリン酸カルシウム法によって副腎皮質由来のY-1細胞に導入したところ、いづれのものでもcAMPによる強い転写の活性化が見られた。さらに、この融合遺伝子上のCRE様配列とAd4配列に塩基置換を行なって転写活性の変化を調べたところ、CRE様配列(TGATGTCA)を完全なCRE配列(TGACGTCA)に塩化置換することで転写の活性化能は強くなり、また全くCRE配列と異なった塩基配列に置換すると転写の活性化は見られなくなった。このことは、明らかにCREB等の因子がこのCRE様配列に結合することで転写の活性化を行なっていることを示している。Ad4配列に塩基置換を行ない異なった塩基配列にした場合も、転写の活性化能は失われ、CRE様配列とAd4配列がそれぞれ単独では転写の活性化に十分に働かないことがわかった。同時に行なったウシの副腎皮質の核抽出物を用いたゲル電気泳動移動度シフト法によって、CRE様配列に結合している因子がAd4配列に塩基置換を加えAd4BPが結合しなくなっても変化なく結合していることがわかり、また、融合遺伝子上でCRE様配列とAd4配列の間に5塩基、9塩基の挿入をしても転写活性化能に変化を示さないことから、これら2つの塩基配列に結合する因子間の協調的な相互作用は存在せず、各々の因子が基本転写因子又はプロモーター配列結合因子と相互作用をしていると考えられる。また、ステロイドホルモンを産生しない組織由来の細胞であるHepa-1細胞(肝癌由来)やNeuro-2a細胞(神経芽腫由来)に作製した融合遺伝子を導入しても転写の活性化は見られないが、同時にAd4BPの発現プラスミドを導入し強制的に細胞内でAd4BPを発現させると転写の活性化を示すようになり、Ad4BPがP450sccの組織特異的な発現に強く関与していることがわかった。
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