Project/Area Number |
05680563
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山登 一郎 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (70111458)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 能動輸送 / エネルギー共役 / 逐次結合モデル / Na^+共役系 |
Research Abstract |
能動輸送タンパク質のエネルギー共役機構を研究するため、腸内連鎖球菌V(液胞)型Na^+-ATPase遺伝子群の分子生物学的研究と各サブユニットの役割の研究、及び二次性能動輸送タンパク質の共役イオン結合部位の構造についての生化学・分子生物学的研究を行った。本研究は、はぼ計画通りに進行し、画期的な成果が得られた。 Na^+-ATPase(V型ATPase)の研究:本ATPaseの精製標品から得たサブユニットのアミノ酸配列を基にDNAプロープを合成し、それを用いて腸内連鎖球菌ゲノムのDNAライブラリーから当該遺伝子群をクローニングした。そのDNA塩基配列を決定して、V型ATPaseの基本サブユニット組成が11あることを初めて示唆した。推定アミノ酸配列と、データベース中の他のATPaseのアミノ酸配列との相同性検索により、各サブユニットの役割を推定した。また、真性細菌に初めてV型ATPaseを見いだしたことより、これまでF型及びV型ATPaseの局在性の知見から真核細胞の進化について言われてきた真性細菌の古細菌への細胞内寄生説に新たな一石を投じた。現在、このクローン化した遺伝子群を用いた発現系を確立しており、本酵素活性における各サブユニットの役割の研究が進展している。今後この発現系を用いて、エネルギー共役機構の研究が容易に進行すると期待している。 二次性能動輸送タンパク質の構造と機能の研究:これまでに得られた大腸菌プロリン輸送タンパク質の共役イオン結合に関わる変異を抑圧する変異株を多数選択し、その変異部位をこれまで2株同定した。その情報から、タンパク質内の共役イオン結合部位のうち、細胞内部及び外部でのイオン結合の関わるアミノ酸を同定した。この研究を継続することにより、イオン結合部位の構造を推定できると期待される。
|