泌尿生殖器の分化に関わるWT1遺伝子の転写調節機能の解析
Project/Area Number |
05680602
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
田所 恵子 国立小児病院, 小児医療研究センター・先天異常研究部・遺伝染色体研究室, 研究員 (00236564)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ウィルムス腫瘍 / WT1 / LOH / 転写制御能 |
Research Abstract |
ウィルムス腫瘍の原因遺伝子として、少なくとも3つの候補遺伝子の存在が示唆され、そのうちの1つ染色体11p13に位置するWT1遺伝子が最近クローニングされた。しかし欧米ではウィルムス腫瘍でWT1の異常が検出される例は希で、むしろ泌尿生殖器の発生・分化に伴って胎児期に発現し、転写制御因子として機能していると考えられている。一方、申請者らは、日本人ウィルムス腫瘍を解析し、ホモ欠失例を塩基配列レベルで明らかにし、また高頻度のヘテロ接合性の喪失を見い出した。WT1がウィルムス腫瘍の原因遺伝子であることを証明し、またWT1の転写調節因子としての機能を明らかにする目的で、さらに新たに見い出したWT1遺伝子N末側の多型マーカーを解析し、日本人ウィルムス腫瘍53例におけるヘテロ接合性の喪失の頻度はWT1の5′側で約70%、3′側で約50%と高いことを見い出した。PCR-SSCP,Sequencingにより変異の検出、同定を行い、腫瘍組織および樹立細胞株よりPCR法、RT-PCR法により変異遺伝子をクローニングした。正常および変異型WT1の細胞内ターゲットに対する転写調節機能を解析するため、樹立細胞株RNAより、RT-PCR法によって4種のスプライスバリアントcDNAをクローニングし、塩基配列が正常であることを確認後、これら4種のcDNAと種々の変異遺伝子を組換えたcDNA発現ベクターを構築した。これらの発現ベクターをウィルムス腫瘍樹立細胞株をはじめとする各種細胞株に導入し、各cDNAを発現している細胞のクローンを得て、WT1が転写調節因子として細胞に与える変化を解析する一方、これらの発現ベクターをEGR-1やIGF-II、PDGFのプロモーターをつないだCAT遺伝子とともに細胞に導入し、WT1の転写調節機能を解析した。またWT1プロモーター領域に見い出した変異についてもWT1自身に対する転写調節機能を解析するため、正常および変異型上流域をCATベクターに組み込んだ。これらのベクターを細胞に導入し、変異がプロモーター活性に及ぼす影響を解析した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)