大腸菌の新しいATPase相同体(FtsH)の膜タンパク質アンカリングにおける役割
Project/Area Number |
05680611
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋山 芳展 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10192460)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 膜タンパク質 / 膜透過停止配列 / ATPase / シャペロン |
Research Abstract |
大腸菌ftsH遺伝子産物(FtsH)は細胞質膜の内在性膜タンパク質であり、真核生物においてタンパク質の小胞輸送、オルガネラ形成、タンパク質分解等広範囲の細胞内反応に関与する一群のATPaseと相同性を持つ。ftsH変異株ではモデル膜タンパク質の膜透過停止(stop transfer)配列の機能が不全となり(Std表現型)、分泌タンパク質の膜透過阻害(分泌表現型)も見られることから、FtsHは膜タンパク質や分泌タンパク質のアセンブリーや膜透過の過程に働くと推定される。ftsH遺伝子には優性欠損変異が起こりうることから、FtsHと複合体を作る細胞因子の存在が示唆された。そのような因子を捜す目的で、優性ftsH変異のマルチコピーサプッレサーを分離した。そのうちの一つ(fdrA)は染色体上11.9分に存在する新しい遺伝子で、Std・分泌両表現型ともに抑制した。fdrA遺伝子産物(555アミノ酸残基)は配列の特徴上から内在性膜タンパク質である可能性があり、in vivo、in vitro系で発現が確認された。fdrAはその破壊株が作製可能であることから、非必須遺伝子であると思われる。FdrAとFtsHとの機能的、物理的相互作用については現在解析中である。一方、細胞内FtsH量の低下による生育阻害がシャペロンタンパク質GroE(Hsp60/10)あるいはHtpG(Hsp90)の過剰生産により回復すること、Std表現型はHtpGの、分泌表現型はGroEの過剰生産によってのみ抑制されることを見いだした。FtsHは上記シャペロンと一部オーバラップする複数の機能を持つことが推定される。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)