Project/Area Number |
05680647
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
景浦 宏 福岡大学, 理学部, 助教授 (70194694)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 割球 / 除去実験 / 卵細胞質 / 部域差 / アフリカツメガエル / 初期胚 / 背腹軸 / 小人胚 |
Research Abstract |
アフリカツメガエル32細胞胚を用い、割球の除去実験を行い、卵細胞質の部域差と各部域が胚発生で果たす役割について調べた。32細胞胚は左右対称で、左右に同じ割球が1個ずつ存在するので、16種類32個の割球からできている。どの1種類、2個の割球を除去しても胚は正常に発生することから、32細胞胚には正常発生に必須な割球は1種類も存在しないことが分かる。つまり、1種類2個の割球を除いても、残りの胚には正常発生に必要な全ての細胞質が含まれるものと考えられる。そこで、さらに多くの割球を胚から除去し、その発生を調べた。まず動植物軸方向での細胞質の部域差を知るために、胚の各段8個の割球からなる上下4段の内、1段を除いた。最上段と最下段は正常発生に必須であるが、中段の2段は必須ではなかった。次に、胚の背腹軸方向での細胞質の部域差を調べた。32細胞胚は背腹軸に沿って4つの部域に分けることができる。動物半球は背腹方向の部域差をほとんど示さないので、その差が顕著な植物半球についてのみ割球除去実験を行った。植物半球の背側割球と腹側割球は正常発生に必須であったが、側部割球は必須ではなかった。 以上のことをもとに、32細胞胚から必須でない割球をつぎつぎと除き、正常胚を生む最小の割球組合せを求めた。その組合せとは、動物半球8割球、植物半球背側1割球、植物半球腹側2割球の計11割球であった。植物極に近い割球ほどより大きいことを考慮すれば、この最小の割球組合せからできてくる小人正常胚は、正常なコントロール胚の約1/4の体積しかないことが分かる。 これらの実験結果から、正常発生には初期胚の3つの異なる部域、つまり、動物半球、植物半球背側、植物半球腹側の細胞質が必須で、また、これらが適切な割合で含まれていることが必要であることが分かる。
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