コリン作動性神経分化を誘導する細胞内因子の構造と機能
Project/Area Number |
05680668
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 隆行 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (00241349)
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 助手 (20169436)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | コリン作動性神経 / レチノイン酸 / 交感神経 / アドレナリン作動性神経 / RT-PCR / トランスフェクション |
Research Abstract |
我々はこれまで、グリア細胞株の分泌する蛋白性因子(GCM)やレチノイン酸が神経系株化細胞培養系においてコリン作動性神経分化を誘導することを見いだして、GCMとレチノイン酸に共通な細胞内信号伝達系を解析してきた。その結果、GCMとレチノイン酸は共にC-キナーゼの基質になる分子量約27kDの蛋白を誘導することを明らかにした。さらにこの27kD蛋白がアセチルコリン合成酵素(ChAT)誘導能を持つことを27kD蛋白標品を未処理の細胞に導入することにより確かめた。そこで本研究においては、初代培養交感神経(SCGニューロン)およびNG108-15細胞におけるレチノイン酸によるChAT-mRNA誘導機構を解析した。 1.SCGニューロンにおけるレチノイン酸によるChAT-mRNA誘導:SCGニューロンは得られる細胞量が限られており、またそこに発現するChAT-mRNAも低レベルである。そこで[^<32>P]dCTPと内部標準としてアクチンを用いたRT-PCRによりChAT-mRNA定量法を確立した。その結果、培地中に加えた10^<-11>M以上のレチノイン酸によりChAT-mRNA誘導が起こることが明らかになった。TPA処理により細胞内PKCを枯渇させるとレチノイン酸によるChAT-mRNAの誘導は抑制された。ChAT-mRNAには5'上流域のエクソンの違いによる種々の分子種が存在することが知られているが、SCGニューロンにおいてはレチノイン酸によりRおよびMエクソンより始まる2種のmRNAの発現が誘導されることが示された。 2.トランスフェクション法によるChAT遺伝子プロモーター活性の測定:Rエクソン上流域1.8kbおよびMエクソン周辺の3.4kbのプロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子に結合したプラスミドベクターを作製し、NG108-15細胞に燐酸カルシウム法を用いてトランスフェクションした。その結果、いずれのベクターを導入した場合においても、レチノイン酸によるルシフェラーゼ活性の誘導が観察された。今後この2つのプロモーター領域におけるレチノイン酸感受性部位の同定を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)