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母子の絆形成に果たすオキシトシンニューロンの役割

Research Project

Project/Area Number 05680699
Research Category

Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Neuroscience in general
Research InstitutionKochi Medical School

Principal Investigator

椛 秀人  高知医科大学, 医学部, 助教授 (50136371)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 奥谷 文乃  高知医科大学, 医学部, 助手 (10194490)
佐藤 隆幸  高知医科大学, 医学部, 助手 (90205930)
樋口 隆  高知医科大学, 医学部, 教授 (70106326)
Project Period (FY) 1993
Project Status Completed (Fiscal Year 1993)
Budget Amount *help
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Keywordsオキシトシン / 室傍核 / 母子の絆 / 母性行動 / 嗅球 / 僧帽細胞 / 顆粒細胞 / 脳室
Research Abstract

嗅球に作用するオキシトシンが母子の絆形成に関わる可能性がある。なぜなら、母子の絆形成に重要な分娩時の産道刺激が嗅球にオキシトシンを増加させたり、オキシトシンを投与すると母性行動が高まるなどの知見があるからである。オキシトシンは、下垂体後葉から血中へ放出され、乳汁の射出や子宮収縮を促すホルモンとして古くから知られている。この下垂体後葉ホルモンとしてのオキシトシンは視床下部の視策上核と室傍核の大細胞性ニューロンで合成される。一方、オキシトシンは、室傍核の小細胞性ニューロンでも合成され、神経伝達物質や神経修飾物質として軸策投射部の大脳辺縁系、脳幹、脊髄などの神経回路に働いて種々の脳機構に役割を演じていることが示唆されている。その1つとして、母性行動を挙げることができる。演者らは、母性行動の促進に対するオキシトシンの作用部位として嗅球に注目した。その理由として、1)嗅球は母性行動の制御に関わっていることが知られている。2)分娩時の産道刺激は母性行動に重要な役割を果たしていることが指摘されているが、この時、嗅球にオキシトシンの増加が観察されていることなどが挙げられる。
嗅球内ニューロンに対するオキシトシンニューロンの作用を明らかにするために、ウレタン麻酔下の雌ラットを用いて、まず主嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞の単一ニューロン活動に対する視床下部室傍核(PVN)の電気刺激の影響を検討した。PVNの刺激(100Hz,10-30発)は、長潜時(約30秒)で僧帽細胞を抑制し、顆粒細胞を興奮させた。この効果は、オキシトシンアンタゴニストの嗅球内注入およびオキシトシン抗体の脳室内投与によって遮断された。次に、PVN刺激の効果は、オキシトシンの脳室内投与によっても、オキシトシンの電気泳動的投与によっても再現されたが、バゾプレッシンの脳室内投与では再現されなかった。PVN刺激の効果は、嗅球への遠心性線維の伝導路として知られる内側嗅索や内側前脳束へ局所麻酔剤を注入しても遮断されなかった。さらに、PVN刺激の効果は、室傍核と前嗅核との間の種々のレベルで同側の半側切断を施しても消失しなかった。
以上の結果は、PVN刺激によってPVNオキシトシンニューロンからオキシトシンが脳室へ放出され、これが嗅球へ達して嗅球内ニューロンに作用したことを示唆している。事実、PVNの電気刺激によって脳室内のオキシトシン濃度が上昇することが報じられている。オキシトシンの中枢ニューロンに対する直接作用は主として興奮性であるとか、モルモット嗅球の顆粒細胞層にオキシトシンが特異的に結合するなどの知見を考慮すると、オキシトシンは、顆粒細胞を興奮させ、続いて顆粒細胞と僧帽細胞間の相反性樹状突起間シナプスを介して僧帽細胞を間接的に抑制したと推察される。

Report

(1 results)
  • 1993 Annual Research Report
  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 椛 秀人: "フェロモンの記憶のメカニズムとその生物学的意義" 日本味と匂学会誌. (印刷中). (1994)

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      1993 Annual Research Report

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Published: 1993-04-01   Modified: 2016-04-21  

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