Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
目的:本実験は,ドーパミンニューロン破壊薬のMPTPに対して組織部位によるvulnera-bilityの違いのメカニズムを解明することを目的として,ラット線条体及び側座核に注入したMPTP及びその代謝産物MPP^+の薬理動態の違いについて調べた. 方法:1)慢性実験用ラットの作製.脳定位固定装置にラットを固定して線条体や側座核に直径7mumの炭素線維よりなる測定電極を挿入し,参照電極,修飾電極を硬膜上に固定する.薬物注入用カニューラを測定電極の近傍に挿入固定する.手術後3週目以降に薬物を注入する.2)MPTP及びMPP^+の測定.In vivo voltammetry法によって細胞外液中のMPTP及びMPP+の濃度測定する.測定は45秒おきで,無麻酔無拘束下にて行う.3)薬物投与.5mM,6mulMPTPをカニューラより24分かけて注入する. 結果:線条体にMPTPを投与したが,細胞外液中MPTP濃度は注入開始より27.6±1.2minでピークに達し,直ちに減少した.側座核では33.6±2.2minであった(p<0.01).また,組織内でMPTPより変換されたMPP^+は,線条体で52.0±4.0min,側座核では156.0±11.2minでピークに達した(p<0.01). 考察:線条体は,側座核よりMPTP及びMPP^+の細胞内への取り込みが大きいか、あるいはMPTPよりMPP^+への変換が速いことが示唆された.これらの違いがMPTPによる組織部位におけるvulnerabilityの違いを引き起こしていることが考えられた.
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