Project/Area Number |
05680723
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
簑田 〓一 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (70080562)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | シナプス伝達 / 長期促進 / 可塑性 / 一酸化窒素 / 交感神経節 / EPSP / LTP / NO synthase |
Research Abstract |
ウシガエルの交感神経節では、節前線維に頻回刺激を与えると興奮性後シナプス電位(fast EPSP)が長時間に渡り増大し、シナプス伝達の効率が長時間促進(LTP)される。このLTPは、伝達物質(アセチルコリン)の放出量が持続的に増大して生じたものであり、その発現と維持には、神経終末内のCa^<2+>濃度の持続的増大が必要である。更にLTPの発現に関わる細胞内情報伝達系を検索した結果、カルモジュリンに依存した代謝経路の活性化が、このLTPの発現に必要である事、しかし、A-キナーゼやC-キナーゼ、またアラキドン酸カスケード系の関わりは無い事などを明らかにして既に報告した。 今回、このLTPに対する一酸化窒素の関与の有無を調べ、以下の結果を得た。1.一酸化窒素合成阻害剤であるN_w-nitro-L-arginine(L-No-Arg)とN^G-methyl-L-arginine(L-Me-Arg)のLTPに対する作用を調べた。L-Me-Argは膜性質や伝達物質の遊離に対して何の作用もない。またLTPも変化させ無い。一方、L-No-ArgdではLTPの発生が阻害される例が得られた。2.一酸化窒素を放出するsodium nitroprussideはfast EPSPの振幅を僅かに増加させる。しかしLTPに対する作用については相反する例が得られるためまだ結論できない。追加実験と更なる検討が必要である。3.条件刺激で産生した一酸化窒素がLTPの発現機序に重要とすれば、hemoglobinの投与でLTPは阻害される筈である。しかしhemoglobin潅流中に条件刺激を与えるとETPは発生した。 一酸化窒素のLTPへの関与の有無は本実験の結果のみでは判定できない。何故ならL-No-Argの作用は一酸化窒素の関与を支持し、hemoglobinの作用はその関与を否定するからである。よって今後、更に使用した薬物の作用機序について詳細な検討を行うと共に、他の関連薬物の作用等を追加実験し最終的な結論を導く予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)