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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
東京大学農学部附属農場由来のシバヤギについて名古屋大学農学部附属山地畜産実験実習施設および名古屋大学医学部附属動物実験施設において繁殖集団を育成した.前者についてはチンチラおよび白色毛色のラインを確立し(SSG),後者ついては近交6世代(DSG)を得た.1)育成中のシバヤギの主要組織適合抗原クラスI領域のDNA変異を調査するため,シバヤギのDNAを制限酵素で切断しマウスの主要組織適合抗原(H-2)のDNAプローブを用いてRFLPを検出し,またその断片の斉一性について検討したが,その明確な変異は見い出せなかった.2)SSGラインについて細かな染色体変異をみるために精巣において減数分裂時のシナプトネマ構造を観察したところ,相互転座ヘテロ個体(個体番号SSG-LIV)を見い出した.この個体は4月齢で体重4.0kg,精巣重量2.0g(正常同腹個体SSG-LIIIは体重8.1kg,精巣14.4g)であった.このラインについては今後検討をつづける予定である.3)DSGラインは兄妹交配6代であるが,今のところ繁殖に障害はみられず,成長もよく,4月齢で雄20kg,雌16kgに達する.一方,SSGラインは生後すぐの死亡が多く,悪性の下痢が見られ,また雄雌ともに体重は4月齢で6-8kg程度であった.これは遺伝的な差ではなく,飼料も含めた飼育環境のちがいが影響しているものと考えられた.4)小腸の二糖類水解酵素活性を調べたところスクラーゼ・イソマルイターゼおよびトレハラーゼの欠損が見られたがこれは種としての特徴と考えられた.
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