ニホンザルの全頭葉における視覚情報のモジュール性保持と統合に関する研究
Project/Area Number |
05710043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂上 雅道 東京大学, 文学部, 助手 (10225782)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 前頭前野 / 単一ニューロン活動 / GO・NO-GO反応 / 視覚次元 / 色・形情報 / 運動方向情報 / ニホンザル |
Research Abstract |
視覚系の情報処理に関して、色や形の次元と、位置や運動方向の次元の処理が、異なる皮質領野で行われていることが最近明らかになってきた。いわゆる、色や形の処理を行う側頭葉系と位置や運動方向の処理を行う頭頂葉系の2つの視覚処理系の違いである。これら双方の領域から直接の投射を受ける前頭前野では、どのような処理が行われているか、という問題は、新しい興味の対象となってきている。今年度は、前頭前野内の情報処理特性について調べるために、以下のような実験を行なった。 go/no‐go型の弁別課題において、手がかり刺激の形、色、運動方向のいずれかの視覚次元に基づいて反応するようにサルを訓練した。訓練終了後、課題遂行中のサルの前頭前野からニューロン活動を記録した。ほとんどのニューロンは、刺激の物理的特性ではなく、刺激の指示する反応の違い(goかno‐goか)に依存した応答の違いを示した。このようなニューロンは以下の3つのタイプに分類できた。1.注目する刺激の次元に関係なく、一貫して、go刺激とno‐go刺激で異なる応答をするタイプ(色-運動方向g/ngニューロン)。2.色あるいは形の次元に注目している時にのみ、go刺激とno‐go刺激で異なる応答を示すタイプ(色g/ngニューロン)。3.刺激の運動方向にに注目している時にのみ、go刺激とno‐go刺激で異なる応答を示すタイプ(運動方向g/ngニューロン)。 それらのニューロンの分布を調べてみると、前頭前野の下膨隆部では、運動方向g/ngニューロンや色-運動方向g/ngニューロンはほとんど見られず、色g/ngニューロンが集中して分布していた。このことは、前頭前野における行動的意味の生成の情報処理が、ヒエラルキー構造を持つことを示唆しているように思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
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