Project/Area Number |
05710069
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
|
Research Institution | Oita Prefectual College of Arts and Culture |
Principal Investigator |
板倉 昭二 大分県立芸術文化短期大学, コミュニケーション学科, 講師 (50211735)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 乳幼児 / チンパンジー / 共感行動 / 自己認識 |
Research Abstract |
本年度は、ヒト乳幼児とチンパンジーを対象として実験を行った。 (ヒト乳幼児)基本的には共感行動が出現するような場面を設定し、乳幼児の反応を観察した。14ケ月齢のヒト乳幼児43名を対象とした。実験は、以下の通であった。<自他意識テスト>A.視線テスト:母親や実験者の視線を追うことができるか。B.絵カードテスト:母親の視線に合わせて絵を見せるか。C.ル-ジュテスト:鏡を見ながら鼻についた口紅を触るか。<共感テスト>バッジテスト:母親がバッジのピンで指を刺した振りをして異たがる演技に対する乳児の反応を記録する、もしくは実験者がパズルを足に落として痛がる演技に対する乳児の反応を記録する。このとき実験者の心拍も記録した。その結果、適切な共感行動と自他意識テストは密接に関連していることが示唆され、しかも認知発達とは別の発達経路が存在する可能性が示された。また、実験者に対しての方が母親に対してよりもクリアに共感が見られた。自己同一視との関係が示唆された。 (チンパンジー)基本的方法は乳幼児の実験と同様であった。実験者が金網越しに放飼場にいるチンパンジーと向かい合い、1)指を怪我した振りをして痛がる、2)特に演技をしないで普通に振る舞う、の2つの条件下でチンパンジーの行動を記録する。いわゆる、ヒトのム-ドを弁別できるか、という課題であった。その結果、怪我をした振りをした方が、チンパンジーの関心を高めることができた。即ち、2)の場合よりも1)の場合の方が、実験者の様子を伺いに来たチンパンジーの数が明らかに多かった。しかも、実験者にいつも水を含んでかけていた個体の水かけ行動が抑制された。チンパンジーは、ヒトのム-ド弁別ができた。
|