Project/Area Number |
05710085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 共子 広島大学, 留学生センター, 助手 (40227153)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ソーシャル・スキル / 異文化適応 / カルチャー・ショック / 対人関係形成 / ソーシャル・サポート / ソーシャル・ネットワーク / 適応方略 / 環境移行 |
Research Abstract |
本研究は在日外国人留学生を対象にして、異文化間ソーシャル・スキルの異文化適応における機能について検討し、その向上を意図する心理学的プログラムへの応用を指向したものである。ホスト国における対人関係形成に必要な具体的スキルを、留学生から得られた社会的困難の枠組みに準拠しながら多元的に収拾し、KJ法によって整理した。その知見に基づいて、社会的分脈を明確にした場面設定を行い、ダイアログを作成した。日本人およびアジア人を含む留学生をロールプレイヤーとして、課題ごとのモデリング場面をビデオ収録した。試行ではモデリングと解説を組み合わせた訓練形態は、行動の獲得に効果的であった。 ソーシャル・スキルの対人関係形成および異文化適応への役割を明らかにし、適応の機能的モデルを検証するには、質問紙調査で得られたデータを解析した。スキル実施は、ソーシャル・ネットワークの量的側面より、質的側面の充実に効果を持っていた。ネットワーク構成員はサポートの種類によって機能分化していることが確認され、ホストとの対人関係形成の役割が明らかになった。またスキルは、直接的効果というより、サポート獲得に媒介されて適応を促進するというのが、妥当なモデルと考えられた。対人関係を重視する集団主義的文化を持つアジア出身者の適応には、特にサポート獲得が重要であった。 ソーシャル・スキル実施の出身地域別比較を行うと、漢字圏、東南アジア、西欧中南米の順で実施度や、本国のスキルとの類似性が高い。これは文化間距離を行動の次元で確認したことになる。留学生、日本人学生および日本人社員のスキル実施度の比較を試みたところ、スキルの領域によっては留学生の自己評価は日本人よりも高いものがあり、これは特にアジア出身の留学生の適応方略が、文化的共通性を内包しているためと考えられる。
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