Project/Area Number |
05710096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
前田 忠彦 早稲田大学, 文学部, 助手 (10247257)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 多特性・多方法行列 / 共分散構造分析 / 確認的因子分析 / パーソナリティ検査 / 信頼性 |
Research Abstract |
心理検査尺度の収束的妥当性と弁別的妥当性を吟味・評価するために用いられる「多特性・多方法行列(以下MTMM)」について、各種分析モデルの性質及び得失の考察を目的として、以下の点に関する検討を行った。1)MTMMの分析モデルのうち確認的因子分析(以下CFA)モデルの識別状態に関する検討。2)パーソナリティ検査のMTMMデータへの応用。3)パーソナリティ検査以外の尺度への応用。 1)の点について、心理学の文献に掲載されたMTMMの再分析を行った。「直積を用いた共分散構造モデル」に基づく分析モデルを当面の研究対象から除外し、特性因子と方法因子の加算的効果を仮定するCFAについて検討した。CFAでは、しばしばモデルの識別不能の問題が生じること、不適解も生じやすいことが、再度確認された。識別性はMTMMのサイズに依存するが、方法数を2に固定した複数のMTMMの分析結果が示唆するところでは、同じサイズのMTMMについても一意に定まらない可能性がある。なお方法数が2の場合、同一方法因子の因子負荷に等価の製薬をおいて識別する。2)の点につき、2組のパーソナリティ検査(YG検査と新性格検査、及び2種類のエゴグラム)のデータを分析した。通常のCFAの他に尺度の信頼性の情報を利用した新しいモデルの適用を試みたが、いずれも事前の仮説(特性の効果に比べて、方法の効果は小さい)を支持する結果は得られず、モデルの特定方法を変えて更に検討する必要がある。3)の点について、他の研究者から2種類のデータの提供を受け分析を行った。一方はコンピュータ不安に関するデータ、一方は夫婦の家庭生活に関する認知のデータ(自己評定と他者評定を2方法とするMTMM)であり、後者のCFAで妥当な解が得られた。このことから、評定者を方法とするMTMMではCFAによる評価が有効な場合があることが確認された。
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