Project/Area Number |
05710110
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水島 和則 東北大学, 教育学部, 助手 (00219627)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | フランス高等教育 / キャリア追跡調査 / 離転職 / 高等教育雇用市場 |
Research Abstract |
わが国での大学修了者の十年間にわたるキャリアの追跡調査を土台に、フランスでのキャリア追跡調査国立統計経済研究所のFQP調査、教育資格研究センターのEVA調査民間リクルート機関のデータベース)を比較分析する作業の結果、主に次のような知見が得られた。 (1).日本企業が終身雇用、ヨーロッパでは転職が主という紋切り型の対比はナンセンスであり、日本でもフランスでも共通して二つの経歴パターンが共存している。ひとつは、二十代に転職や非安定な勤務形態を経験し、その後長期勤続のポストに辿りつく、ジョブ・サーチ型の初期キャリアであり、もうひとつは、卒業と同時に採用された企業に定着し長期勤続する、定着型キャリアである。 (2)日本でもジョブサーチ型のキャリアを歩む者が占める割合は低くない。フランスでは逆に、定着型(卒業後の一括採用)のキャリアを歩む者もかなりの比重を占めている。フランスでは、ジョブ・サーチ型と定着型のキャリアの違いは、高等教育制度の二重構造-大学と高等専門学校(グランゼコール)との二元構造に対応している。しかし、後者が前者よりも上位の地位に卒業生をつかせるという序列化されたとらえ方はデータからみると疑わしい。十年間で到達した地位にはさしたる違いがないからである。むしろ両者を、異なったキャリアの共存としてとらえる考え方が必要である。 (2).時系列からみたトレンドでいうと、この両者それぞれが占める割合に変化はみられない。フランスでは、高等教育-企業間での、専攻とポストとの対応は安定している。 他にもさまざまな知見が得られたが、これまではごく基本的な一部分しか発表しておらず、むしろ分析結果の大半は今後発表をするつもりである。
|