Project/Area Number |
05710123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Fuji University |
Principal Investigator |
小松田 儀貞 富士大学, 経済学部, 講師 (00234881)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 結婚 / 農村女性 / 配偶者選択 / 家族の再生産 / 後継者 / 農家継承 |
Research Abstract |
本研究では、農業情勢とそれを取り巻く社会、経済情勢が深刻化するなかで、個々の農家がその存続のためにいかなる経営上・生活上の選択をおこなっているかという問題を「戦略」という観点から捉え、現代農村の状況を実態に即して把握しようと試みた。なお、山形県庄内地方に事例を求めた本研究は、対象地と対象者の選定、またその方法という点で、平成1〜2年度文部省科学研究費・総合研究(A)「『転換期』における農村社会の変容と農民意識の諸相」(研究代表細谷昂東北大学教授)の成果に多くを負うており、この補完的、追跡的研究の性格を帯びている。当初の研究目的であった個々の農家の「戦略」の包括的な把握にまでは至らなかったが、本研究では「戦略」のなかでも特に家産継承と家族再生産の契機として重要な結婚に注目し、一農村におけるそのありかたの変化と現状に専ら焦点を当てることによって、個別事例ながら現代農村の抱える後継者、農地流動化等の問題の一角に迫りえたと思われる。この成果の一部は「結婚形態の変容と農村女性-山形県庄内地方における一事例-」(裏面参照)として発表した。今後のさらなる研究による裏付けを必要とするが、現段階で指摘しうる諸点について以下簡単に記しておきたい。1.地縁・血縁などかつて機能していた配偶者供給の諸制度の弱体化に伴い近年農村地域でも恋愛結婚の比率が上昇しており、これと並行して農家同士が結合する同質的集団形成が困難になってきている。2.このことが社会状況の変動を背景にした農村女性の意識、生活の変化と相俟って、従来とは異なった生活形態を有する農村家族の形成を促している。3.以上の点が農業経営の危機のみならず農村家族そのものの再生産の危機の背景のひとつになっている。しかしこうした傾向は単純にマイナス要因とのみ断定できず、これが今後の農家の経営、家産保持に及ぼす影響についてはさらに見守る必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
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