Project/Area Number |
05710145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 晃正 東北大学, 教育学部, 助手 (90240506)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 留学準備教育 / カルチャー.ショツク緩衝装置 / 準備教育型日本校 / 多目的型日本校 / 「新しい」留学 / 準留学 / 学生市場の国際化 / 大学教育のボ-ダレス化 |
Research Abstract |
本研究は、近年急増した米国大学日本校について、この新しいタイプの高等教育機関に通う学生の社会的アイデンティティを明確化することを目的とした。各種収集資料、大学への訪問調査(学生へのインタビュー調査を含む)、質問紙によるアンケート調査等より得られた知見は以下の通りである。 (1)留学準備教育 米国大学日本校では、学生を米本校へ進学させるための語学教育と日米の大学・教育システムの違い、大学文化の違いを理解させるためのシステム理解教育が施されている。同時に、これは未熟な精神面を鍛える教育的機能も果たしており、直接渡米して大学進学に備える心理的不安を緩和し、一方で、同国人同士により形成される「カルチャー.ショツク緩衝装置」を国内で形成する役割を果たす。加えて、大学によっては一般教育・専門教育の一部科目の単位取得が可能であり、海外留学の重要なワン・ステップとなっている。 (2)米国大学日本校の2類型 各大学のプログラムの特徴を分析すると、(1)原則として本校へ進まなければ卒業できない「準備教育型」日本校と、(2)日本校、本校あるいは提携校のいずれでも卒業可能な「多目的型」日本校の2つの類型化されることが把握された。 (3)「新しい」留学 一部の日本校は、従来にはなかった「新しい」留学形態(集団・大量留学、Uターン留学、逆留学)と米本校へは進学せず日本での学習のみで学位を取得できる「準留学」という選択肢を学生に与えている。 (4)ミネソタ州立大学機構秋田校(MSU-A)学生実態調査 地方自治体の誘致により開校したミネソタ州立大学機構秋田校(準備教育型日本校に分類される)において、日本人学生を対象とした質問紙(6項目92問(1)属性、(2)進学動機・理由、(3)学習状況とその成果、(4)大学生活全般、(5)将来・今後の進路、(6)海外生活経験。有効回答回収率40.6%)による調査を実施した。その結果と分析は平成6年度中に報告書として刊行する予定である。 (5)「淘汰」の時期に入った米国大学日本校 入学者の減少とそれにともなう相次ぐ閉校・縮小により、米国大学日本校は早々と「淘汰」の時期を迎えている。今後は、中等後教育の多様化と高等教育の国際化(学生市場の国際化と大学教育のボ-ダレス化)の視点にたって(1)「新しい」留学の定着過程とその評価、(2)地域社会との連携(地域の国際化)に着目して研究を進める予定である。
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