Research Abstract |
研究実施計画では,大学教育,大学入試の多様化・個性化の可能性の可能性を考察するために,以下の2点を計画した。 (1)志願行動をもとにして,受験生の大学選択の要因のマクロ的な分析を行う。 (2)個々の大学が標榜する教育と,その成果の関係を,大学成績と卒業後の活動状況との関連から調べる。 (1)については,現役-浪人,男女といった受験生の属性別,学部別に,1985年度〜1990年度の私立大学志願者の,また1987年度〜1993年度の国公立大学志願者の出願動向を分析した。その成果は『大学研究』,『大学進学研究』,『大学入試フォーラム』に発表した。 そこでは,(a)理工系学部への志願の減少(理工系離れ)は,1988年以降,私立大学に関してのみみられる現象である,(b)それは,1987年度の国公立大学の入試改革による影響が強いと考えられる,(c)従って,自発的な意味での理工系離れ現象が起こっているとは必ずしも言いえない,(d)国公立大学でも,1987年度の入試改革以降,進行を続けている入試教科目削減傾向に併せて,最近の志願動向が大きく変化しつつあることを明らかにした. (2)については,ケース・スタディとして,載前期の東京帝国大学等をサンプルにして,各学部の卒業生の大学成績と卒業後の経歴に関する歴史的分析を行った。現在は原稿化を進めている最中である。 なおこの研究を進める上で,旅費は,(1)調査の裏付け,(2)に関する資料収集,本研究のための情報交換等のために用いた。また。図書費は(1),(2)に関する理論枠の構成,各種資料の蓄積のために,謝金,消耗品は以上の資料の整理のために用いた。
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