Project/Area Number |
05710191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
三尾 裕子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助手 (20195192)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 民間信仰 / 女神 / 鬼 / 汚れ(穢れ) / 霊魂 / 漢民族 |
Research Abstract |
本研究は、漢民族の民間信仰に関する民俗概念の整理と分析を行なうことが最終目的であった。そこでまず、主要な民俗概念(又は民俗語彙)の収集のため、関係する文献を収集し、コンピューターに入力した。収集の際には、単に台湾、東南中国に限らず、広く東南アジアの華人社会もターゲットに入れ、また宗教人類学一般との関連を明らかにするため、この方面の文献も収集した。さらに、これらの中から、まず“鬼"(ghost)から発展した流行神や、女神の信仰に関わる民俗語彙や民俗知識を抽出、整理し、分析を試みた。また、愛媛県松山市へ出張した際には、東雲女子大、愛媛大などの台湾のシャーマニズム研究者、南アジアの宗教人類学者と研究交流を行ない、漢民族社会における宗教理解の上で鍵となる概念は何か、また他民族と比較して漢民族の宗教信仰の特色となりうるものは何か等について討議した。データの入力に関しては、台湾の代表的な女神である媽祖、観音菩薩、託生娘娘や、鬼から発展して現在台湾で代表的な神の一種となった王爺等については、それらの起源伝承、現在の祭祀センターの分布、祭祀活動の内容、スタイル等についての整理と分析が進んでいる。また、こうした神々の祭祀の基盤となっている「人の霊魂についての彼らの観念や、たたりや汚れの概念(いつ、どのような状況でどのような崇りや汚れが発生するか)の解明も行なった。今後は今年度の成果をふまえ、同様の項目に関する整理を他の神々についても行なっていきたいと考えている。また、年中行事や冠婚葬祭などに見られる宗教的儀礼についても今後の研究の課題としたい。
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