Project/Area Number |
05710228
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安野 正明 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80202365)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 難民・故郷追放民 / ドイツ戦後民主主義 / ドイツ社会民主党 |
Research Abstract |
歴史研究なので、補助金は文献購入を中心として支出した。まず主たる一次史料として、西ドイツの議会における討論、議決等を特に詳しくフォローした“Parlament"という週刊新聞のマイクロフィルムを購入し、テーマに取り組んだ。その他に購入した戦後ドイツ史関係の文献もあわせ、相当の量の史料を手に出来たので分析になお時間を要し、結論的成果をまだまとめるにはいたってない。 現在の段階で、戦後ドイツの充実した社会政策の形成に難民・故郷追放民の問題がどのように重要な影響を与えたかについては確認できた。たとえば、彼らに経済的な基盤を与え西ドイツ社会に統合するための負担調整法がどのような経緯で議会で成立し、革命によらぬ財産移動としては前例のないものでありながら、どのような限界をもつものであったか等をより詳しく知ることが出来た。 だだ研究を進めてゆく過程で、論文としてまとめる際には、このテーマを負担調整法を代表とする社会政策の研究として孤立的に扱わないほうがおもしろいのではないかと思うようになった。すなわち、難民・故郷追放民の統合は戦後民主主義の定着の根幹に関わる問題と意識されていたのであって、政党(特に報告者はドイツ社会民主党に関心を持っている)がこの問題に取り組むプロセスで組織や政策をどのように変化させ、彼らを支持基盤として獲得するためにどのような努力をしたかという観点から研究をまとめたほうが、より視野の広い論文になるのではないかという見通しを持っている。 現在、文部省在外研究員としてドイツに滞在中(今年12月までの予定)で、留学の成果も生かした上で、帰国後論文をまとめたいと考えている。完成次第送付するが、いましばらく時間をいただきたい。
|