Project/Area Number |
05710250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
考古学(含先史学)
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Research Institution | (財)元興寺文化財研究所 |
Principal Investigator |
塚本 敏夫 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (30241269)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 鋲留技術 / 馬具 / 甲冑 / 型鍛造技術 / 鍛治 / 古墳時代 / 考古学 |
Research Abstract |
本年度の研究において、鋲留技術の系譜と5世紀代の鉄器生産体制の一端を知ることができた。以下研究によって得られた知見を述べる。 1.鋲留技術について (1)鋲の製作技法-鋲の製作は鋲頭の製作により、(1)型打鋲と(2)手打鋲があり、日本には型打鋲の鋲留技法が導入された。しかし、加耶では型打鋲を持たない鋲留甲冑が4世紀代からあることが判明した。 (2)鋲の種類-鋲頭断面形から(a)半球形(b)紡錐形(c)円錐形(d)扁平形があり、その他馬具では鏨による花形や鍍金、鍍銀、銀被鋲がある、銀被鋲は5世紀末に導入された新技術である。 2.馬具、甲冑の共通鋲について 鋲留導入期の鉄製鞍と眉庇付冑で共通鋲が確認できた。(新開古墳、ベンショ塚古墳等)また五条猫塚古墳では帯金具と冑で共通の金銅鋲が確認でき、今後馬具以外の金工製品との関係を研究課題としたい。 3.五世紀の鉄器生産体制について 甲冑への鋲留技術は、まず馬具の小型鋲が冑に導入、金工技術を持た渡来系工人と甲冑工人により眉庇付冑が創作され甲冑では大型化に、小数化に馬具では少型、多数のまま、鍍金化、銀被化が主流となる。このことから、導入時は馬具系工人が甲冑生産に導入され、その後も鉄〓輪、蝶番金具と馬具の技術が順次導入され、独自の展開を見せる。馬具は万世紀末に国産化が初まることが推定された。これをモデルかすると(1)韓鍛治(馬具)(2)倭鍛治(甲冑?)(3)野鍛治(農工具)となり、倭鍛治に韓鍛治が導入され、鍛治技術が拡散していくモデルが想定できた。 4.今後の研究の展開 馬具には青銅品もあり、特に鈴付青銅品は馬具以外に鏡、装身具に共通してくる。したがって鈴付青銅品に着目し、馬具を中心に鉄器、金工、青銅と金属器生産体制の解明を行っていく一助とする。
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