歴史的中央語と現代方言との時代的・地理的対応関係についての研究
Project/Area Number |
05710259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国語学
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Research Institution | The National Institute for Japanese Language |
Principal Investigator |
小林 隆 国立国語研究所, 言語変化研究部, 主任研究官 (00161993)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 国語史 / 方言分布 / 活用 / 奈良時代特有語 / 『方言文法全国地図』 |
Research Abstract |
1.各時代特有語の抽出 中央国語史上、どの時代の語はどの地域に残りやすいかを知るために、まず、各時代に特有の語彙を抽出する必要がある。そこで、奈良時代語についてこの作業を行なった。『時代別国語大辞典 上代編』および、『日本国語大辞典』を主な資料とし、奈良時代にのみ用例があり、他の時代に用例のない語を拾い出し、“奈良時代特有語"とした。この作業は方法的には妥当であり、他の時代にも適用できることがわかったが、奈良時代の場合、歌語、枕詞など、現代方言と直接結びつかない位相における語が、かなりの割合を占めるという問題点が生じた。引き続き、“平安時代特有語"の抽出に進んだが、それらと現代方言との対照までは行なえなかった。 2.歴史的中央語と現代方言との対応 このテーマの見通しを得るために、動詞活用の歴史と方言分布との関係を把握する試みを行なった。方言の側の資料としては、『方言文法全国地図』を用いた。その結果、例えば、古典語の「上二段活用」については、奈良・平安時代に中央で行なわれていた、終止形がクとなる型はすでに現代方言にはない。鎌倉・室町時代の終止形がクルとなる型は九州にのみ認められる。九州には、歴史的中央語には見られない、「下二段活用」や「ラ行四段活用」も行なわれている。など九州の独自性が明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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