Project/Area Number |
05710276
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
中国語・中国文学
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Research Institution | Chofu Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
河内 利治 調布学園女子短期大学, 日本語日本文化学科, 助教授 (70249077)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 黄道周 / 明末清初 / 遺民 / 文人 / 忠節 / 『雪橋詩話』 / 書方芸術 / 蔡玉卿 |
Research Abstract |
調布学園女子短期大学日本語日本文化学科紀要『調布日本文化』第四号(1994年3月25日発行)に「『雪橋詩話』に見る黄道周像」と題する一文を書き、当該研究成果の一部として発表した。これをもって当該研究実績の概要とし、以下のその内容の要綱を記す。 清末民国初の楊鍾羲氏が著した『雪橋詩話』(全四十巻、底本は僚瀋書社本を使用)は、五つの特色を有する書籍だが、筆者は中でも楊鍾羲氏が「辛亥革命以後、暗に清朝遺老としての政治思想を堅持する態度を宣揚するために、どのように明代遺民の事跡に借りたかの点」に着目し、この特色を考察するために、明末清初の文人黄道周に焦点を当て、黄道周という人物を『雪橋詩話』がどのように記述しているかを黄道周に関する全19条にわたり詳細に検討した。具体的には、天啓・崇禎、甲申の変、順治・康煕・雍正・乾隆、嘉慶・道光と時代順に追いかけ、その結果、福建での反清起義の参加を断り遺民として生きる道を選んだ徐枋、詩画を善くし黄道周を終生の師として仰いだ徐柏齢、黄道周の門人で遺民となった閻修齢、黄道周が重んじた程邃、黄道周の門人で遺民の道を選んだ林佳〓、入室の弟子の洪思、それに同年の進士の鄭〓などとの交友から、『雪橋詩話』には少なくとも黄道周を通じて確かに「明代の遺民の作品が大量に記載されている」ことを確認した。また黄道周とその夫人蔡玉卿の書法芸術という視点からも黄道周像を考えてみた。さらに「清末民国初の文芸界における黄道周像」も宗源瀚(湘文)という上元出身の清末の人が、倪鴻宝・黄石斎・瞿稼軒というこれまた明朝に忠節を尽くした『三忠の墨蹟』を収集した話の文章によって垣間見た。しかし「どのように明代遺民の事跡に借りたかの点」については未解決のままであった。この点については今後さらに研究を続けていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
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